2019.08.11-13 南から北へ127

さて、ここからのルート、北に向かえば北沢峠越え、南に行けば東海道を進むことになる。つまり、どんぐりの湯前バス停は大きな岐路ということだ。この日は月曜日だが祝日なので、南へ向かう設楽町のバスは運行されない。ということで、飯田方面へ出て、北沢峠から山梨県へ抜けるルートで進む。

そもそも、この時期に北沢峠を通過する計画だったのなら、前もって木曽谷を通るようなルートを進んで、木曽福島駅から夏季のみ運行*1のパノラマライナー*2で、北沢峠行のバスの接続場所である仙流荘まで一気にワープできたのだが、行き当たりばったりでルートを考えている手前、そうもいかず。結果的にはあまり良いルート選定にはなっていないのは重々承知のうえで、ちょっと面白そうな北沢峠を選択した次第だ。もちろん、林道となる峠道は険しいルートなので、ちょっとした雨で通行不能になるリスクもある。そのときは日を改めるか、それこそどんぐりの湯再訪問からの東海道ルートとなるかもしれない*3

閑話休題。これから乗るバスの話に戻る。

2019.08.12[Mon]
どんぐりの湯前12:18→根羽12:46
豊田市 稲武地域バス 根羽線、¥200、16.6km

どんぐりの湯前にて
稲武地域バス 根羽行

バスは2台でやってきた。前がこれから乗車する根羽線、後続が同じ稲武地域バスの押山線だ。押山線経由で恵那方面へ抜けるルートもあるようだが、木曽谷へはこだわらずに淡々と国道153号を北上していく。バスに乗り込むと運転士に「根羽行です。どちらまで?」と聞かれ、なるほど車内放送はなしだな、と合点がいく。終点までと答え、自分だけが乗車するとすぐに出発。バスは旧稲武町の市街地を巡るとすぐに国道153号へ出て、あとはひたすら根羽を目指すのみ。市街地での乗客もなかったので、このままずっと乗客は一人きりのようだ。

前述のとおり、ルートは基本的に国道153号、さらに途中からは矢作川沿いとなるおなじみのパターンだが、矢作川沿いとなる付近のみ、トンネルとなる国道から離れて旧道っぽい道を進む。国道に再合流すると県境はすぐで、根羽村自体も矢作川沿いに位置することを知る。県境付近は人家のない谷合を進むが、じきに開けてきて人家が増えてくると終点の根羽へ到着する。

根羽バス停と折り返すどんぐりバス
根羽バス停とどんぐりバス

根羽のバス停は役場の前にあった……が、今はない。というのも、ちょっと前に根羽村役場は別の場所へ移転したようで、現状は無機質なコンクリートの建物があるだけだ*4。稲武地域バスの折り返し便が出発してしまうと、時折国道を走行する車以外には動くものはなく、自分だけがこの地に取り残されたような気分になる。次のバスは2時間後、どうにかして時間を潰さなければならないが、バス停付近にはベンチすらないので、周囲を彷徨ってみることに。

さっそくAコープが見えたので近づくと、駐車場の片隅にデマンド交通用で使われている待合室があった。さっそくお店で飲み物を購入し*5、待合室で一気に飲み干すが、それくらいじゃ10分くらいしか経過していない。そういえば旧役場前に村の案内図があったことを思い出して戻ってみる。都合よく近くに喫茶店でもあればと地図を眺めるが、そんな虫のいい話はない。ただ、近くに村の資料館があるのが分かったので、そこで涼もうと目論んで坂道を登っていくが、資料館には旧役場同様の気配があり、入口のシャッターも降りていた。残念だが仕方がない。

いまどき珍しい、平屋造りの村役場
現在の根羽村役場

せっかくなので、その足で新しい役場まで歩いていく。祝日なので中には入れないが、高台にあって風の通りもよく、おまけに併設の老人福祉センターの前にはベンチまで用意されている。待ち時間は残り1時間半ほど、ここで持参した文庫本を読みながら暇を潰した。新しい根羽村の役場は、写真からも分かるように平屋造りのバリアフリーだ。完成から1年経っていないとのことで*6、雰囲気もよく落ち着きのあるいい場所だった。


*1:正確には、2019年7月13日~11月4日の土日祝日と、7月27日~8月16日の毎日。

*2:参考までに、2019年版のJRバスの資料[pdf]伊那市のサイトへのリンクを張っておく。

*3:ちなみに、北沢峠ルートについてここで散々書いているが、残念ながら今回はその北沢峠に届かない状態での中断となる。

*4:なお、バス停横には一応トイレもあるが、臭いはきつめだった。

*5:数十年ぶりにファンタオレンジを買った。

*6:この辺の情報は「役場新庁舎が完成移転しました | 根羽村役場 | 長野県下伊那郡」を参考にした。