南から北へ259 到着

宗谷岬バス停の行列
宗谷岬バス停の行列

到達した喜びの前に、まずは「なんだこの行列は!」という気持ちが先行する。写真は降車後に撮ったため、すでに半数以上が乗車済だが、行列はまだこんな状態。30人オーバーの利用者を乗せて宗谷岬バス停から稚内駅前ターミナル行の最終バスは出発していった*1稚内まで1時間、立ったままの人はずっと立ったままなんだろうなあ、と同情する。

宗谷岬バス停を出発する宗谷バス

日本最北端バス停 宗谷岬
日本最北端バス停 宗谷岬

南から北へ 全行程*2

何はともあれ「やっと終わった」というのがこのときの心境だ。

最初に乗車したホテル佐多岬発垂水中央病院行のバスから、さきほどの浜頓別ターミナルから宗谷岬のバスまで、乗車したバスの本数は226本、25の都道府県を通過し、行程の総日数は36日、10回の旅程で連ねてきた北上が終了した。気持ちとしては達成感より安堵感の方が強い。全行程を連続でこなしての到達なら達成感が半端なく溢れ出たんだろうなあ、なんて思う。大過なく全行程を終えることができて良かった、というのが正直な気持ちだ。

南から北へ 全旅程一覧

バスの乗車距離は、のべ4,728.4km*3。特に最短距離や最短時間を狙ったわけではないので、この距離が妥当なのか回り道しすぎなのかは判断がつかない。総運賃は143,220円*4で、当初想定したよりは安く済んだ*5。歩いた距離は50.5km、これは歩きすぎのように思う。以前ブログのコメント欄に徒歩3.5kmで北から南へバス縦断した方がいらっしゃったが*6、ちゃんと旅程を組めばそれくらいにはなるんだと思う。この辺は休みの都合などでどうしようもなかった部分もあるが、計画時の根気のなさ(ちょっと歩きが入るけど、これでいいや的なやつ)、自分の至らなさが多分に影響している。ともかく(船舶を除く)実際の移動距離のうちで徒歩の占める割合を計算するとだいたい1パーセントなので、許容できる範囲内に収まっているんじゃないかなと思っている。

海に向かって立つモニュメント
日本最北端の地

時間もあるので、最北端バス停の周囲を巡ってみる。宗谷岬からサハリンが見えたらいいな、なんて期待していたが、今回は眺望がきかなかった。

宗谷岬沖にある無人島
弁天島

サハリンの代わり、と言っては何だが、弁天島の写真を撮った*7。撮った写真を後日見ていると、右側のでこぼこはトドのように思えてきた。ただ、一番大きなでっぱりは形がトドのようにしか見えないけど、さすがに大きすぎるように思う。

海側(奥)が鬼志別方面、陸側(手前)が稚内駅前方面
宗谷岬バス停の配置

向かって右側が鬼志別から稚内方面へ向かう、自分が降車したバス停。左側が稚内から鬼志別方面へ向かうバス停で、正確にはこちらが最北端のバス停だ。当初は厳密に後者のバス停を利用することで完了、なんてことも考えたが、同名バス停ならそこまで考えなくても良いか、と思い直し、浜頓別からのバスで終了とした。

鬼志別方面(左)と稚内駅前方面(右)、ともに4本ずつ
宗谷岬バス停時刻表

稚内から宗谷岬へは現状4往復で運行されているが、稚内駅スタートで宗谷岬往復となると実際は以下の2往復の利用が現実的だと思う。

どちらも滞在時間は45分の想定で、まあのんびり周辺を回ってもそれくらいだろう。今回は宗谷岬14時55分のバスで到着したので、宗谷岬往復の利用者とバッティングしたようだ。ただGWとはいえ、ここまで利用者がいるとは想像していなかったので驚いた次第。ちなみに稚内宗谷岬間の運賃は片道1,420円。ノシャップ岬と宗谷岬の両方に行くのなら1日乗車券(¥3,000)が便利だが*8、単純な宗谷岬往復なら記念往復乗車券(¥2,560)を利用するのが良いと思う*9

宗谷岬にて
宗谷岬バス停と定期観光バス

なお、稚内方面のバス停には待合室があり、中には旅行ノート*10が置かれていた。以前どこかの無人駅に置いてあったのを見たことはあるが、バスの待合所で見かけたのは初めてだ。この日は本当に寒く*11、さらに風が非常に冷たかったので、体感では手袋が欲しくなるくらいだった。このため、着いた当初は高台に登ったり周囲を歩き回ったりと精力的に動いてはいたが、そのうち風を避ける場所を探すようになり、最終的にはこの待合室で過ごすようになった。

頑丈なつくりの待合室
宗谷岬公園休憩所(バス待合室)


*1:後日、稚内駅前ターミナルで耳にした話では、稚内から宗谷岬へは午前と午後にそれぞれ1往復ずつ可能で、午後のバスを利用する人の方が多いとのことだった。

*2:なお、上記地図や以降の記述では特別編の「四国逆回り」は除いている。

*3:Google マイマップ調べなので、実際の営業距離とは異なる。

*4:利用当時の大人ひとり分の運賃を合算した金額。実際にかかった金額とは異なる。

*5:バスだけで20万くらいはかかるものと想像していた。

*6:その徒歩距離から「【限界移動】宗谷岬→佐多岬 ローカル路線バス乗り継ぎのたび」を書いた人じゃないかなと思っている。

*7:旅行中、「弁天島にトドが増えている」みたいなテレビを観て、その影響もあって撮影したんだと思う。

*8:稚内駅~ノシャップ岬間は片道¥220なので、1日乗車券の元が取れる。

*9:他に定期観光バス(半日¥3,400~)を利用する手もある。

*10:訪れた旅行者が記念に何か書いたりするものらしい。

*11:最北端土産物屋の気温表示では6.4℃となっていた。