2023.05.31-06.02 標高差2,720m 30

のざわ温泉交通(右)と長電バス(左)のバス停が並んでいる
野沢温泉中央ターミナルバス停

約1時間半の乗り継ぎ待ちを堪能して、中央ターミナルまで戻ってバスを待つ。この時間帯の飯山行はのざわ温泉交通と長電バスが6分差で出発していくダイヤとなっており、特に深く考えずに「木島でバスを乗り継いでみるか」くらいの感覚で、先発するのざわ温泉交通のバスを見送った。つまり長電バスを選択したつもりだったが、その後にやってきた長電バスは中央ターミナルのバス停で待つ自分を関心外といった雰囲気でスルーしていった。「あれ、行っちゃった」と周囲に人がいるにもかかわらず聞こえるような声がつい出てしまう。

しばらくは立ちつくしていたが、リカバリを考えないことには先へ進めないので、待合室へ戻って後続のバスを確認する。計画を立てた際に、この後のバスでも間に合うことは把握していたものの、実際のバスの時間をすべて確認するまではドキドキのしっぱなしだった。2時間後に出る1本後のバスでも本日の目的地まで進めることを確認し終えると、安心したのか大きなため息をついてしまった*1

野沢温泉の案内図
季節によって変わる長電バス野沢温泉バス停*2

バスがスルーした理由はすぐに判明した。観光協会で入手した野沢温泉の案内図[pdf]を見ると、中央ターミナルの長電バスのバス停の横には「冬期のみ」と書かれていて、夏期は別のバス停*3を経由するようだ。ようするに、夏季には停車しないバス停で自分はバスを待っていたわけだ。

バス停比較
時刻表のある野沢温泉(夏季)バス停(左)と時刻表のない野沢温泉中央ターミナルバス停(右)

またバス停をよく観察すると、中央ターミナルにあるバス停には時刻表が掲示されていない。これまで「時刻表が掲示されているバス停で待てばよい」みたいなことを書いてきたのに*4、自分がその罠にはまってしまうとはまったくもってどうしようもない。

2023.06.01[Thu]
中央ターミナル…野沢グランドホテル/徒歩、0.4km

野沢グランドホテルにて
野沢グランドホテル バス待合所

というわけで、自分の勘違いで1時間55分のアディショナルタイムを得てしまった。よって、まだ見ていない麻釜などを巡ったのち、念には念を入れて長電バスの始発バス停である野沢グランドホテルで待つことにする。もう一風呂、なんてのもちょっとよぎったが、熱めのお湯に浸る体力はなさそうに感じたのでパス、トイレ併設の小さな待合室でのんびりバスを待った。近くには外湯の一つである真湯があった。そういえば1本前に乗った湯の花号バスは真湯行だったので、そちらを終点まで乗り続けていればバス停間違いなど起こりえなかったよなあ、なんて後悔したりもした。

16時過ぎに折り返し飯山行となるバスが到着する。3時間半ぶりとなるバス乗車だ。

2023.06.01[Thu]
野沢グランドホテル《標高564.7m》16:15→木島16:45飯山駅(行)
長電バス [9]野沢線、¥700、13.2km

野沢グランドホテルにて
長電バス 飯山駅

バス停の標高が500メートルを超えるのは初めてだが、今後また千曲川沿いへと戻るので、しばらくはここが最高地点となる。出発してしばらくは温泉街の狭い道のため、野沢温泉(夏季)バス停通過*5も含めてスローモーションで再生され、またチクチクと後悔の念を刺激する。

温泉街を抜けると下り坂をエンジンブレーキで進むようになり、心地よいエンジンの振動を感じながら山を下りていく。しばらくは広い道で進むが、笹沢の先から大関橋入口付近までは集落側というか旧道沿いを進む。乗客は他になく、平日のこの時間の駅方面行だからこのまま利用者なしだろうと思っていると、「次は農林高校です」とのアナウンス、こりゃ高校生が乗り込みそうだと座席に置いた荷物を膝の上に移動する。

農林高校と次の中村で計20人以上の乗客が乗り込んで車内は混雑するが、その後の乗客はないまま木島へ到着する。ここでは4人が降車したが、全員家路につく様子もなくバス停付近に点在するベンチにばらけて、めいめいのスマホを眺めている。どうやら自分を含めた全員がここでバスを乗り継ぐようだ。


*1:幸い、このときは周囲に人はいなかった。

*2:野沢温泉観光協会のタウンマップ[pdf]より抜粋・加工。

*3:前回休憩中の湯の花号バスを撮影した朝日屋旅館前。

*4:例えば「標高差2,720m 1」とか「標高差2,720m 12」とか。

*5:もちろんバス停を無視したわけではなく、乗客がなかっただけだ。