5分前にバス乗り場に出ると、すでにバスが待機していた。予約した旨を伝えて、さっそくバスに乗り込む。
2023.09.29[Fri]
JR新見駅11:30→岡山桃太郎空港14:30
備北バス かんとり~バス、¥0、90.3km
備北バス かんとり~バス 岡山桃太郎空港行
夏から秋にかけての休日(秋は金曜日も)に、備北バスが新見~岡山桃太郎空港間に空港連絡バスを運行しているのでこれに乗ってみる。一番の特徴は何といっても無料という点*1。サイトでの予約優先で空席があれば当日乗車も可、定員は30人とのことなので*2、1列2人の利用を想定しているようだ。運行は昨年(2022年)からのようで、2022年は空港と吹屋を1往復するバスのみだったが*3、本年は新見まで延長されたうえに2往復へと増便。そんなことだからもしかしたら10人くらいは乗るのかな、なんて想像していたら、JR新見駅からの利用者は自分だけだった*4。自分だけしか乗ってないのに、バスに乗るのが目的な人だけが利用しているのに、運転やアナウンス*5をしてもらうのは非常に心苦しく感じる。まあ、せっかくなので楽しむしかない。
まずは重伝建地区となっている吹屋へ向かう。ルートは新見~坂本間のバス路線をトレースする形で進み、新見市・高梁市境付近から一気に高度を稼いで到着となる。吹屋では20分ほど時間があったので、街並みのさわりくらいは眺めておく。並んでいる建物は石州瓦とベンガラ色の格子が特徴的でなかなかいい雰囲気だが、どうしても興味は街並みに合った古びたバス停の方に向かってしまう。
吹屋バス停
「バス停 吹屋」
ちなみにストリートビューを遡ると、2011年3月は普通のバス停、2014年1月は文字のかすれていないレトロなバス停が確認できた。
バスの待機場所に戻ると、新見行のかんとり~バスも到着していて、高梁~吹屋間の路線バスとともに3台が並んで停車していた。新見行は吹屋で降車した人もいたようだが、まだ車内に2人が乗車しているように見えた。こちらのバスとは対照的に、空港発はそこそこ利用されているようだ。
備北バス3連
次に向かうのはJR備中高梁駅。吹屋~宇治間は路線バスの通らないルートで進み、宇治で路線バスのルートに合流する。何か理由がありそうだが、どんな理由かは分からない。高梁川沿いに出てからは国道180号を南下して高梁市街へ。JR備中高梁駅は路線バスが発着するバスセンターへは入らずに、東口で停車となる。ここでは30分近くの停車となるが*6、吹屋のように観るものがあるわけでもないので、高梁バスセンターへ寄って2,000円のバスカードを購入した。その後は待合室でしばらくバスの発着を眺めて過ごした。
バスセンターに出入りするバスを眺めているうち、経由地表示をはっきりと確認できたわけではないが、13時20分に到着したバスは坂本からのバスだったように見えた。もともと新見から岡山にかけては「新見~坂本~高梁~きびプラザ~岡山」と乗り継ぐつもりだったのだが*7、どうしても高梁バスセンターでの5分乗換にリスクを感じたので、今回は利用しなかった。ただ、少なくともこの日は間に合ったようで、運が悪くなければ乗り継ぎできそうな感じだ。ただ、残念なことに今日は金曜日。高梁バスセンターより先が平日ダイヤのみの運行なので、明日の乗り継ぎには使えない。また機会があれば、ぜひやってみたい乗り継ぎなので、ちょっと残念ではある。
JR備中高梁駅停車中のかんとり~バス
JR備中高梁駅の次は吉備中央町にあるきびプラザ。高梁駅東側にある急な斜面を、ヘアピンカーブだけでなくループ橋までも総動員して登っていく。丘陵上へ出ると、あとは適度なワインディングとアップダウンのある道を進む。途中までは備北バスの東村行のルートを辿るが賀陽インターチェンジ手前で別れ、以降は並行するバス路線がない道を快走する。
この区間、車内では吉備中央町を紹介するビデオが放映された*8。JR備中高梁駅までは高梁市のビデオが流れていたが、吹屋までで新見市の映像は流れなかった。このバスに対する自治体の力の入れ具合の差かもしれないが、新見延長は今年からなのでそういったものの準備が間に合わなかっただけなのかもしれない。
時刻表上のきびプラザには「14:05」としか書かれていなかったので、とくに降車したりはしなかったが、10分くらいは停車していたように思う。経由地はここが最後で、あとは岡山桃太郎空港を目指すのみ。結局、途中乗降は一切なく、自分が通しで利用しただけであった*9。
全体的な感想としては、(バス好きなので)悪い印象はない。アンケート必須とは言えA4の表裏に回答するだけで無料というのは太っ腹と思う。ただ、時間についてはかかり過ぎに感じる面もあり、JR備中高梁駅~岡山桃太郎空港の所要時間1時間は良いと思うけど、新見駅~岡山桃太郎空港で3時間というのはちょっと長すぎる*10。時間がかかることを許容するのなら、JR備中高梁駅で20分待機するのではなく、休憩時間を吹屋でまとめて30分のほうが観光客には喜ばれるんじゃないかな……というようなことをアンケートに書けば良かったが、何か当たり障りのない話を書いた覚えがある。
*1:ただし、アンケート回答が必須とのこと。
*2:「備北バス-空港・高梁・吹屋予約システム – 岡山桃太郎空港からJR備中高梁駅を経由した吹屋地区への期間限定直行バスです。」による。
*3:「岡山桃太郎空港⇔高梁市・吹屋 無料直行バスの運行について【期間限定】|岡山桃太郎空港」より。
*4:バス乗車前に寄った食堂に中国系のカップルがいたので、この人たちはてっきり利用するものと考えていた。
*5:ガイド付きのツーマン運行だった。
*6:実際の予定停車時間は20分なので、ずいぶんと早着したようだ。
*7:新見駅11:20→坂本12:10|12:20→高梁バスセンター13:20|13:25→きびプラザ14:22|15:35→岡山駅16:35
*8:「空港に近い=東京に近い」といったアピールが記憶に残っている。まあそうだけど気軽に行ける金額ではないよなあ、と思いながら眺めていた。
*9:なお、きびプラザから出る際のルートが大回りするようになっているが、これはgoogleマイマップでうまくルート設定できないためであり、実際は右折で道路に戻っている。