10月のダイヤ改正までは、次に乗るバスの出発は9時ちょうどだった。8時49分到着予定のバスから乗り継ぐには待ち時間が厳しいかもなんて思っていたが、改正による減便で野辺地駅前発の時刻が9時30分になっていた。減便ダイヤは恐ろしいが、まれに都合よくなることもあるようだ。
2020.10.29[Thu]
野辺地駅前09:30→むつバスターミナル10:59
下北交通 野辺地線、¥1,650、56.3km
下北交通 むつバスターミナル行
ここからは下北交通のバスとなる。十和田観光電鉄と同様に、こちらも前乗り前降り。野辺地は中心街が野辺地駅から離れた場所にあるため、野辺地駅前から下町といった短距離利用も見られたが、基本的には長距離利用者の多い路線のようだ。野辺地の市街地を抜けるまでに乗客は4人となり、海水浴場前あたりからは海に沿って走るようになる。
干草橋付近の海*1
この道は「むつはまなすライン」と名付けられているようで、確かに海の眺めは良いが、道の上下のうねりが多く、車酔いする人にとっては拷問のような道路を北上する。風があるせいか、陸奥湾でも波が白くなっている。このため、明前付近からは風力発電のプロペラが多くみられるようになるが、風がある割に回っているものは少なかった。
海側を鉄道に譲ったり、また譲られたりするうちに人家が増えてくると横浜、ここでいったん自分以外の乗客がいなくなる。ただし乗客が1人だけだったのは1区間だけで、次の横浜新町で再び乗客があり、その後は終点まで常に他のだれかが乗車している状態だった。そういえば(臨)農協前というバス停もあった。横浜新町発車後、次のバス停のアナウンスなしでそこに停車し乗客を拾ったが、あとで確認すると下北交通の時刻表[pdf]にもストリートビューでもバス停が見当たらず、NAVITIMEではバス停記号のみが書かれていた場所にあった。道路改修などで見かける「(仮)」*2ではなく「(臨)」がつくバス停なんて初めてだ。
一里小屋付近にあった廃バス置き場
サンシャイン前の手前では、陸奥湾越しにむつ市街や恐山が眺められるが、以降は海から離れて進む。一里小屋付近には下北交通の廃車置き場みたいなところがあり、ナンバーのないバス群が見えてちょっとしんみりする。市街地に入るとほとんどの乗客は本町で降車し、終点のむつバスターミナルまで乗車したのはわずか2人だった。
むつバスターミナル
30分ほど時間があったので、ターミナル向かいのスーパーに寄る。持参した3枚のマスクのひもが連続して取れて、在庫がなくなってしまったので補充目的だ。ついでに生鮮食品コーナーも覗くと、捌いていない魚の取扱量が自宅最寄りのスーパーよりも明らかに多い。海と共に生きてる街なんだろうなあと勝手に想像する。
むつバスターミナル バス運賃表
ターミナル内には20人ほどが待っていた。本当なら待合室に掲示された路線図や時刻表やらを写真に収めたかったのだが、どうしても人が入ってしまいそうだったのであきらめる。バスの側面にある、本来なら経路案内が表示される部分に貼りつけられた路線図を代わりに撮ってお茶を濁した。
遠目では「ドットの細かい液晶を特注で使っているのかな」と思ってしまった下北交通の運行路線図