ターミナルというだけあって、到着するバスの案内放送が肉声で入る。もちろん番線も案内されるので*1、地方にある私鉄のターミナル駅にいるような感覚になる。
2020.10.29[Thu]
下北駅(発)~むつバスターミナル11:30→大間崎13:01~佐井車庫前(行)
下北交通 佐井線、¥1,900、48.2km
下北交通 佐井車庫行
このバスに乗れば、着いた先は本州最北端バス停だ。下北駅からのバスに乗客はなかったが、むつバスターミナルでは9人が乗り込む。大畑駅前までは以前鉄道があった区間だからか、利用者はけっこう多いが、トップドア車のため座席には余裕がある。前の方はお年寄りに譲って後方に席を取る。
出戸付近にあった旧大畑線の橋梁
乗客はむつ市中心部からの利用者ばかりで、基本的には減る一方。陸奥湾から津軽海峡側に出るでるために丘を越えると、前方に海がちらちら見えてくる。出戸の先で海側の道にそれて、旧大畑線の廃橋をくぐる。上野まででむつ市街からの乗客はすべて降りてしまうが、正津川以降若干の乗客があったので、乗客が自分だけにはなっていない。ただ、途中からの乗客は短距離利用ばかりで、大畑駅前には乗客2人となって到着する。
下北交通 大畑出張所
大畑駅前に着くやいなや、運転士と他の乗客は降りて待合室の方へ行ってしまった。どうやらバスはいったんここで休憩らしい*2。写真を撮ったり、廃線のホームを眺めたりして待ち時間を過ごす。
大畑駅前で休憩中のバス
大畑駅前を出て街を抜けると、これまでは海岸沿いにいくらはあった平地がなくなり、険しい道を進むようになる。山あいの落葉樹はまだあまり色づいてなく、緯度が高くても海に近いと紅葉は遅いことに気づく。下北自然の家でいったん乗客が途切れるが、風間浦村に入った甲ですぐに乗客があり、以降は切れることがなかった。風間浦村では下風呂温泉や易国間*3あたりでは海沿いの新道ではなく集落側を走行するが、乗降はなし。だんだん大間が近づいてきて、津軽海峡の向こうに見える北海道もよりくっきりしてきた。大間町へ入るといったん海から離れて大間病院前に寄り道、海から離れて進むのかな、なんて思っていると、すぐに海沿いに復帰する。いくつかバス停を過ぎるといよいよ大間崎のアナウンスが入る、降車ボタン押す指にもつい力が入ってしまう。
大間崎看板と灯台
大間崎到着。やっと本州最北端に到着する。外は風がとても強い。建物の中に入りたくなるが、レストハウスは感染症拡散防止のために閉鎖中。しばらくは北海道を眺めたり写真を撮ったり過ごしたが、あまりにも寒いので食堂に入る。
「まぐろ一本釣の町 おおま」のモニュメント
大間に来たからにはマグロだ。昼食では普段使わないくらいの金額だったが、奮発してマグロの乗った丼物を食べる。食べたときは思ったより普通だな、なんて失礼な感想をもったが、後日別の場所でマグロを食べたら大間のマグロがずいぶん美味しかったことに気づいた。コロナ禍の平日、しかも本州のはずれにある大間だが、観光客はけっこう来ていて、駐車場にも観光バスが数台停まっていた。ただ、何にせよ岬の風が強すぎて、人は5分とその場にいられないような状態。自分もお土産を買うふりをして土産物屋に避難した*4。
大間崎バス停と観光客