次に乗るバスは道の駅笠岡ベイファームで乗ったバスから数えると47本目となる。これは(日本最低所バス停が大潟富士だと思っていたころに行った)「標高差2,720m」だとゴールの「標高2716m」バス停までの総利用本数に等しい。秋田県から岐阜県へは5県*1の通過で繋ぐことができた一方、今回の「標高差2,721m」ではゴールまでまだまだかかりそうだ*2。まあ、前回よりも都市部を多く通過しているので、今回は細かいバスの乗り継ぎが多く発生しているという実情もあるが、先は長そうではある。
さて、地下にある京阪の出町柳駅から外に出てバス停へ向かうと、すでに数人がバスを待っていた。慌てて列の最後尾に並ぶ。
2024.04.29[Mon]
出町柳駅前《標高54.5m》07:45→朽木学校前09:02
京都バス [10]比良線、¥1,550、43.1km
京都バス 朽木学校前行
自分が並んだのは7時15分くらいでこの時点の行列は6人だったが、最終的には40人近くの列ができていた。それくらい多くの人を魅了する路線バス……というわけではなく、皆さん登山の格好なので、山へ向かう人たちが利用するバスのようだ。実際、このバスは春~秋季の土休日に1往復だけ運行されるので、完全に登山客向けのバスと言える。
そんな登山バスは乗客43人で出発する。もちろん車内は相当混んでいる、そして賑やかだ。八瀬駅前までは叡山電鉄沿いに進み、人家も多くある中を進んでいくが、八瀬大橋以降は山あいを分け入っていく感じになり、運賃も均一から距離制に変わる。花尻橋で初めてのまとまった降車があるが、降りたのは登山姿ではない若者ばかり。病院のある方向へ歩いて行ったので、おそらくそちらで働いている人たちだろう。
やがて大原に到着する。ここまでは1時間4本ペースでバスが出ているので、バス停には広い車庫と待合室が併設されている。ここで時間調整となるが乗降はなかった。「大原で降りるような人間はこのバス使わねえよ!」という想いが車内から伝わってくるようだった。大原の2つ先にある小出石までは平日でも数本のバスが走っているが、その先はこのバスのみの区間となる*3。ここで乗客の数を再確認すると、くしくも出町柳駅前出発時点と同じ43人だった。利用者の内訳は登山者42人とバスマニア1人ということになる。結局、出町柳駅前~大原間はぽつぽつと乗降はあったものの、その区間内で完結する利用者ばかりだったということだ。
小出石を通過すると、京都・滋賀県境となっている途中越を抜け途中へ。旧道経由だったら嬉しいなあと期待していたが、さすがにそんなことはなくバイパス経由で集落を抜ける。途中の先もまた峠。花折峠口までバスは喘ぎながら登りトンネルで峠を越える。峠を抜けた先の平*4でまとまった降車があり、登山客9人が降車した。それでも乗客は34人、まだ立っている人すらいる混み具合だ。
残りの登山客が降りたのは平から7つ先の坊村だった*5。ここで33人が降りて、自分だけがバスに取り残される。外を見ると、公衆トイレの前に長机が出され、何か受付をしているように見えた。登山関係のイベントがあったゆえの混み方だったのかもしれない。というとで、この路線は実質出町柳駅前~坊村間の登山バスであった。約1時間、ずっと立ちっぱなしだった方は本当にお疲れさまでした。
坊村から先は車内が一気に寂しくなる。堅田からの江若交通の終点となっている細川の先で高島市へと入り、坊村の手前から常に右岸を走っていた安曇川を渡ると平野が広がってきて朽木学校前はまもなくとなる。出町柳から約1時間20分で終点の朽木学校前に到着した。