2020.10.25-31 南から北へ210

岩手県立中部病院
岩手県立中部病院

今日はずっと天気が良い。暖かすぎて上着が邪魔なくらいだ。

2020.10.27[Tue]
県立中部病院13:10→大迫バスターミナル14:24
岩手県交通 大迫花巻線、¥700、36.4km

県立中部病院にて
岩手県交通 大迫バスターミナル行

県立中部病院からの乗客は2人。北上からのバスで通ったルートを戻って国道4号に復帰するが、国道上にあるバス停は通過していく。車内放送も「次は富士大学」だったし、次のバス停までの運賃も290円となっているので、バス停通過はまっとうな運用の模様。そういえば、花巻市のバスが乗り入れを廃止した旨の掲示県立中部病院にあったので*1、代わりに花巻から富士大学へ行く岩手県交通のバスが延伸し、花巻市も上限運賃適用などの対応を行った*2、なんて流れなのかなと妄想する。


富士大学前バス停

結局国道4号沿いのバス停には停まらないまま、富士大学へと国道4号からそれて進む。前回乗車した石鳥谷線とバス停が重複するのは、県立中部病院*3とずっと先の総合花巻病院イトーヨーカドー間となる。

車内を見回すと、不思議なことに紫波町関係の広告がある。また、運転席付近をよく見ると、マニュアルトランスミッションが昔ながらのロッドの長いタイプだった*4。これから向かう大迫バスターミナルは近年廃止され、また廃止直前まで大迫から紫波へのバスがあったことから*5、もしかしたら大迫に所属していた車体なのかな、なんて、これまた想像に耽ってしまう。

途中の乗降が一切ないまま花巻駅をも通過し、ようやく乗車があったのはイトーヨーカドーだった。バス停名がえらくストレートだな、なんて思っていると、次のバス停はイギリス海岸、付近にはインディ500なんてパチンコ店もあるしまったくもってよく分からない*6。ヨーカドー以降は乗客もなく*7、人気のない新花巻駅も通過して、バスは東北新幹線沿いに北上するようになる。八重畑の先、新幹線をくぐったあたりで花巻方面行のバスとすれ違うが、確かこれは花巻方面の最終バスのはずだ*8


イギリス海岸バス停(花巻駅前方面行)の待合室

新幹線から離れると、軽い山越えののち、石鳥谷方面への道と合流する。羽黒堂で降りる予定の老夫婦がボタンを押せなくて困っていたので、こちらで押下した。中ドアより前の座席だと、目線にある降車ボタンは高い位置にあるので、座ったままだと押しにくいのよね*9、と一人で納得する。これで乗客は自分のみ、大迫地域診療センターに寄り道するも乗客などなく、すぐに終点の大迫バスターミナルに到着した。

大迫バスターミナルにて
大迫バスターミナル「跡」

現役時代の大迫バスターミナルの写真があるwikipediaと見比べると、見事なくらいに何もなくなっている*10。ただ、何もないわけではなく、小さいながらも待合室が新設され、付属してトイレも用意されていて、さらにほかのスペースはきれいに舗装しなおされて駐車場になっていた。周囲は紅葉の真っただ中でもあり、川沿いの景色が気に入ったので、待ち時間はバス停周辺を散歩したりして過ごした*11

大迫にて
岳川にかかる橋から見た早池峰山

なお、待合室には大迫石鳥谷線の窮状を伝える掲示があった。当該路線は10月1日の改正でほぼ半減されたため、それまでのダイヤなら可能だった石鳥谷経由で大迫へ入る選択肢がなくなり*12、今回は花巻からのルートを選んだということもあって興味深く読んだ。また、以下の写真にはないが、バス通学時の定期券代補助の比較対象として「大迫高校に通学する通学タクシー利用者は月20,000円の通学費」なんて記述があり*13、「通学タクシーなんて制度があるのか」と興味を惹かれた。

路線バス「大迫石鳥谷線」 10月1日から減便して運行します
待合室内の掲示


*1:県立中部病院は北上市域にある。

*2:前回の記事でも触れたが、この路線の運賃は700円で打ち止めとなっている。このため、始発の県立中部病院でも途中の花巻駅でも、大迫バスターミナルまでの運賃は700円となっている。

*3:岩手県交通の時刻表の表記では、石鳥谷線は「県立中部病院前」となっていたため、当該記事でもそのように表記した。なお、実際のバス停に書かれていた名称は、大迫花巻線と同一の「県立中部病院」だった。

*4:さらには、前ドア付近には「のりつぎ券」と書かれた、整理券発行機みたいな機械もあった。

*5:wikipedia:大迫バスターミナルによると、大迫紫波線は「2018年9月30日の運行をもって全線廃止」とある。

*6:イギリス海岸について後日調べたら宮沢賢治が名付けた北上川の露頭らしい。

*7:降車は上似内であった。

*8:大迫バスターミナル13:40→花巻駅前14:25。大迫バスターミナル行はこの後まだ2本あるが、逆方向は13時台のバスが最後。折り返しは回送なのか石鳥谷行となるのか、ちょっと気になる。

*9:優先席には肘掛け付近にもついているが、視界に入らず得てして見つからないことが多い。

*10:念のため、ターミナル現役当時の写真へもリンクしておく。

*11:予定では花巻市総合文化財センターでも行こうかと考えていた。

*12:北上駅前11:30→12:40石鳥谷駅口13:40→14:00大迫バスターミナル、というルート。13時台のバスがなくなったため、乗車は叶わなかった。

*13:ようするに、定額タクシー代よりもバスの方が金額負担が少ないですよ、みたいな説明だった。

2020.10.25-31 南から北へ209

北上駅前にて
北上市のバス「おに丸号」

バス停に戻ると、ちょうど北上市のバスが客扱いをしていた。ちょっとデザイン派手やね、なんて思いつつ、また会うとは思わずに写真を撮った。

2020.10.27[Tue]
北上駅前12:30→県立中部病院前12:49~志和口
岩手県交通 石鳥谷線、¥390、7.0km

北上駅前にて
岩手県交通 志和口行

で、乗車したのは本日5本目となる岩手県交通。バスに乗り込んだらまずはバスカード、1,000円だけ購入する。これで岩手県交通の分は賄えるはずだ。北上と花巻を結ぶバスということで、ほぼ1時間ごと、時間帯によっては30分ごとに運行されているバスだが、北上駅からの乗客は自分だけだ。ただ、先ほど乗ったバスと重複する北上郵便局前からまちなかターミナル 本通り二丁目までの間で5人増えたので、利用者は割といそうだ。まちなかターミナルの次のバス停は本通り十文字、栃木県内で頻出した「~十文字」バス停のことを思い出して*1、つい「おっ」なんて声を出してしまう。

ルートはやはり国道4号を経由する。このバスで花巻まで行ってしまっても良いのだが、次乗るバスが途中の県立中部病院前始発なのと、そのバスの運賃の上限が決まっていることを把握済だったので、県立中部病院前で降車した。ここからは7人が乗り込み、バスは花巻方面へ去っていった。

県立中部病院にて
おに丸号、ふたたび

バスを降りて次のバス停を確認していると、北上駅前で見たばかりのバスが到着する。おに丸号だ。後日時間を確認したところ、水曜以外の平日は「北上駅前12:26→県立中部病院12:54」のスケジュールで運行していたようだ。運賃も200円とこちらの方が安く、明らかに事前の調査不足で残念すぎる。那須塩原でも同様の事態*2があったけど、どうも目的のルートを走るバスが見つかると、他の方法がないかの検討はついおろそかになりがちだ、今後は気をつけたい。


*1:南から北へ172」以降、栃木県内で何度も見かけたバス停名。十文字は交差点を意味するらしい。

*2:今回とは逆で、コミュニティバスには気づいていたが、通常の路線バスの存在には気づいていなかった。「南から北へ177」参照。

2020.10.25-31 南から北へ208

出発時間が近づき、バスもすでに来ているようなので外に出る。バスは停留所から少し離れた場所に停まっていたので躊躇していると、「早くにバス停前で待機していると役場の偉い人がうるさいから」と運転士に教えられた。「中で待っていていいよ」とのことなので、前ドアから乗って車内で出発を待つ。

2020.10.27[Tue]
金ヶ崎町役場10:30→北上駅前10:57
岩手県交通 北上金ヶ崎線、¥430、13.9km

金ヶ崎町役場にて
岩手県交通 北上駅前行

これまでの前沢市街水沢市街でもあった、「バスの起終点付近はルートを重複させる」運用が金ヶ崎町にもあり、水沢からのバスと北上へ向かうバスが金ヶ崎本町から免許センター入口までの区間で重複して運行されている。実際、この重複区間内のみの利用があったので、目論見は成功しているように思えるが、利用者はたった1人と多くの需要が発生しているようには見えないのが寂しい。

今回のバスも市街地以外は国道4号で進むが、北上側は和田尻付近で早くも国道から離れてしまう。相去地区*1は集落規模も大きく、また並走している東北本線の駅もないため、公共交通の需要があるのかもしれない。実際、相去バス停などから3人の乗客があった。

和賀川を越えて北上の街に入ると、案の定北上駅に着くまでいろいろ回り道して進む。まちなかターミナル 本通り二丁目北上市の中心街なんだろうか、さくら野百貨店もあって、人もそこそこ集まっていた。これまでの経験から、たぶん次のバスでもここに寄りそうな気がしてくる。その後もくねくねと道を進み、東西南北が分からなくなったあたりで北上駅に到着する。

北上駅前にて
北上駅前バス停群

北上駅のバス停は近年整備されたらしく、1つの島に集約されていた。以前は駅前にある、閉店したデパートを分割利用したような雑居ビルの前にもバス停があったようだが、そちらは花壇でふさがれており、すでに使われていないようだ。また、広場に掲示された「北上エリア バス路線図」もシールで消されたルート・バス停が多数に及んでいて、より寂しい気分にさせられる。今回のルート選定時には候補として考えていた西和賀方面のルートもシールで見えなくなっていた*2、相当残念だ。

北上駅前にて
北上エリア バス路線図

ここで早めの昼食にしようと、駅前の雑居ビルに入り、地下にあった蕎麦屋に入る。テイクアウト用の弁当も美味しそうだったが、そばが食べたかったので店内へ。あまり期待していなかったが、予想外にちゃんとしたそばで美味しかった。


*1:「あいさり」と読むようだ。

*2:「湯本バスターミナル」などのバス停名はまだ消されてはいなかったが。