2023.09.27-30 標高差2,721m 10

標高差2,721m」の行程だけを考えれば、さきほど矢神駅から乗り継げば済んだ話だが、せっかくなので始発地から乗り通したいということで、きらめき広場まで戻ってきた。この「せっかくだから始発バス停から乗りたい」という気持ち、他の人にはなかなか分かってもらえないことが多い。

2023.09.29[Fri]
きらめき広場《標高361m》08:40→新見駅09:28~市役所(行)
備北バス きらめき広場~新見駅~市役所線、¥530、23.4km

きらめき広場にて
備北バス 市役所行

予想通り霧が晴れてきた。きらめき広場からの利用者は2人、途中からの利用者も神代駅*1からの1人と、新見市営バスのワンボックス車でも間に合うくらいの寂しさだ。バスの車体は、ちょっと懐かしいタイプのツーステップバスで、床は板張り。板張りのバスに乗ったのは「南から北へ」の井笠バスカンパニー以来な気がする*2

床が板張りで通路も狭い、懐かしいスタイルのバス
備北バスの車内

利用者は計3人と少ないが、これは同時間帯に芸備線の列車が並走していることが影響しているかもしれない。矢神~新見間で同時間帯に運転される鉄道とバスを比較すると、以下のようになる。

交通機関 運行ダイヤ 矢神→新見 神代→新見 運行本数
時間 運賃 時間 運賃
備北バス 矢神駅8:44→神代駅9:02→新見駅9:28 44分 490円 26分 320円 平日1日1.5往復*3
JR芸備線 矢神9:05→備中神代9:20→新見9:29 24分 330円 9分 200円 平日1日6往復*4

所要時間も運賃も運行本数も、廃止が取りざたされている芸備線に軍配が上がっている。言い方を変えれば、他の交通機関との競争でいくら優位に立っていても、奪い合うパイ自体が極小になっているということかもしれない。なお、バスの所要時間の多さは矢神駅神代駅上市長谷川病院前前後の旧道走行や渡辺病院への経由などのせいで*5、むしろ利用者の多い場所を容易に経由できるバスの特性(メリット)ともいえる。さらには、新見は市の中心部と駅が離れているため、バスなら市役所まで乗り換えなしで行けるという優位性もある。バス好きなのでどうしてもバス側の良さを強調したくなってしまうが、いずれにせよこの地域の公共交通を利用する人の少なさ、これに尽きるのかもしれない。

話を乗車したバスに戻す。基本的には前述の旧道経由と寄り道以外は国道を堅実に走行して新見駅に定時で到着し、全員が降車となる。神代駅から新見駅までの利用なのになぜバス? の人は、新見駅で前に停まっていた市街地循環バスへと乗り継いだので、理由は判明した*6

最後に、このバスの運賃表で珍しいフォントを見かけたので記録しておきたい。液晶画面ではない、旧来からある運賃表に表示されるバス停名は縦書きで、長いとスクロール表示されるものをよく見かけるが、そこに表示されたカタカナが縦方向に半角化された半角カナだった。不明瞭な写真しか撮れなかったが最後に載せておく。

カタカナのみ縦方向に半角化されたフォントが表示されている
縦書き半角カナで書かれた「フリーバス」


標高差2,721m 2023/9/29のまとめ

日付 区間 路線バス 徒歩距離
本数 運賃 走行距離
2023.08.26 [Sat] 道の駅笠岡ベイファーム → 笠岡駅 1本 ¥370 7.5km -
2023.09.28 [Thu] 笠岡駅前 → きらめき広場 6本 ¥3,690 112.4km 2.7km
2023.09.29 [Fri] きらめき広場 → 新見駅 1本 ¥530 23.4km -
累計 3日 8本 ¥4,590 143.3km 2.7km

*1:「こうじろ」と読む。

*2:詳細は「南から北へ63」を参照。

*3:朝の矢神駅方面行は神代駅始発のため。ちなみにこの神代駅発きらめき広場行のバス、新見市地域公共交通計画[pdf]を見ると、令和3年度の輸送人員は0人となっていた(21ページ)。おそらく送り込みのバスを回送でなく営業運転しているものと思われるが、1年運行して乗客なしというのはすごい。

*4:ただし早朝の新見発の列車は快速のため、備中神代を通過する。

*5:ほとんどの区間で国道182号を走行する矢神駅神代駅間で比較すると、バス18分に対して鉄道15分とあまり差はない。

*6:新見に9:29到着の芸備線では、9:30発の循環バスへの乗り継ぎは難しいだろう。