2023.09.27-30 標高差2,721m 5

本四バスや中国バスの車両が待機している
福山駅前バスターミナル

福山駅では昼食を購入しておく。こういうときに現地のものを買わず、コンビニ飯で済ませてしまうことが多いけど、今回はせっかくなのでと駅弁「あなごめし」を購入する。ついでにお金を下ろしたり、PASPYのチャージを済ませたりなどして過ごす。あとはバス案内所で涼みながら次のバスを待つ。

案内所にやって来る人はPASPYの払い戻し目的の人が多い。サービス終了までまだ1年半くらいはあるが*1、使っていないカードは覚えているうちに払い戻しておく、みたいな感覚で手続しに来ているように見えた。せっかく広島まできているので、自分も払い戻すチャンスではあるが、旅行の記念に入手している面もあるので、このまま手元に残しておくつもりだ。というか、そもそも広島電鉄のカードなので、福山では払い戻せないのだが。

南から北へ」で以前来たとき*2は乗り継ぎに慌てていたこともあって、あまり印象のなかった福山駅だが、今回の1時間弱の待ちによって雰囲気をつかめた感がある。ということで、次のバスだ。

2023.09.28[Thu]
福山駅前《標高2.5m》10:30→井関中11:35~油木(行)
中国バス [12-4]東廻り油木・東城線、¥1,070、31.6km

福山駅前にて
中国バス 油木行

ここまでは行きたい方向とは逆である西向きに進んできたが、ここからは北上することになる。辿るルートが「南から北へ」で利用した区間を極力利用しないという縛りが厳しく作用しているように見えるかもしれないが、やっている当の本人はむしろ楽しんでいるので問題はない。中国バスの車両には初めて乗車する。始発バス停である福山駅では出発時刻直前まで運転士が乗車口に立って乗客を待っていた。高速バスでは何度か見たことはあるが、路線バスでこんなスタイルは他で見たことがない。丁寧すぎてこそばゆい気持ちになる。

福山駅を5人の乗客で出発する。しばらくは福山の市街地をくねくねと進む。2人が降りた広尾の先で国道182号に入ると、以降はほぼこの国道をトレースするルートで進む。片側2車線の道で流れも良く、乗降もないことからバスも車の流れに乗って快調に走る。片山さきほど乗ったバスの蓮池バス停からの乗り継ぎができるバス停。また十九軒屋は井原~山野~フジグランと乗り継いだ場合に乗り換えようとしたバス停だ*3。このあたりは乗ってみたいバス路線ややってみたい路線バス乗り継ぎが本当に多い。もしかしたら再訪することになるかもしれない。

床は通常のノンステップバスと同じだが、座席が両側2列となっている。
中国バスの車内

バスは普通のノンステップバスだが、車内の座席配置がちょっと変わっていて、前側の座席が両側2列ずつ並んでいるタイプだった。長距離を走るため座席数を多めに設定しているのだろうか。また、車内の「ご自由にお取りください」スペースに「とにかくバスに乗って!」とかかれた団扇が数枚置いてあった。両備グループで夏に実施した「宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト」で作った団扇と思われる*4。ちょっとほしかったけど、本当に持って行って良いのか分からなかったので、眺めるだけに留めた。

平地区間の終わりに近い上加茂公会堂前で1人降車して、バスは山間部へと入っていく。百谷付近の数度のヘアピンカーブで高度を稼ぎ、谷沿いの道から丘陵上の道へと転進して、道の駅さんわステーションに寄り道する。ここで1人が降車し、乗客は自分だけに。このまま終点まで乗り続けても良いのだが、その先に進むバスはまだないので、井関中で降車する。

井関中にて
神石高原温泉

ここで神石高原温泉に寄る。泉質は強アルカリ性温泉、いわゆる「お肌すべすべ」になる温泉だ。確かに肌に吸いつくような泉質は癖になりそうな感じで、更衣室や浴室で「ここのお湯はすごい」と話しかけてくるくらいに盛り上がっている人も多かった。自分は入浴中に降り出した雨が気になって、上の空みたいな反応をした記憶がある。入浴後は併設する休憩室で昼食を済ます。食事ができそうにないと思って福山で買ってきた駅弁を食べたわけだが、神石高原温泉にもカップラーメン程度の食べ物は販売していたので杞憂だった。


*1:交通系ICカードPASPYのサービス終了について | 広島県交通系ICカード:PASPY「パスピー」 公式サイト」には「2025年3月までに順次終了予定」とある。

*2:南から北へ59」および「南から北へ60」を参照。

*3:先の加茂昭和橋であればほとんど歩かずに乗り継ぎが可能だが、周囲に時間を潰す手段がなさそうなので、終点まで乗り通すことを想定していた。

*4:PR TIMESのプレスリリースにその団扇の写真が掲載されている。