上・京・物・語 (Local Bus Version) 4

次のバスは15分後。このバスに乗れなくてもその先の乗り継ぎに支障はないが、乗り継ぎ待ちの時間は次のバス停に集約しておきたいので、先に出るバスに乗っておく。

2025.09.07[Sun]
高山濃飛バスセンター13:05→薬師湯温泉下14:20下呂バスセンター(行)
濃飛乗合自動車 下呂線、¥1,060、49.6km

高山濃飛バスセンターにて
濃飛バス 下呂バスセンター行

バスは高山濃飛バスセンターから12人を乗せて出発する。地域の中心地から郊外へ向かうバスのため、始発地の乗客が一番多くその後だんだんと減っていくパターンが常だが、この路線は長距離を走るせいか乗客の減り方が比較的緩やかだった。基本的には国道41号を南下するルートだが、大きめの集落は地区内の旧道へ入っていく。また、宮峠トンネルを通過せず峠越えを行うタイプの系統だったので、力強いエンジン音で分水嶺を越えるバスの姿も楽しめた。

途中、久々野支所前では部活帰りの高校生らしき人が慌てて降りていった。降車時に運転士から「降車ボタンは早めに押してください」と指摘があったんだけど、実はこの人、疲れていたのかギリギリまで居眠りしていて、久々野支所の駐車場に入る右折の直前に目が覚めて降車ボタン押下の流れだった。こういったこと、通路を挟んで隣に座っていたので自分には分かるけど運転士からはもちろん見えないし、運転士は運転士で今まで高校生がギリギリまでボタンを押さないチキンレースみたいなことに付き合わされていて困っていたのかもしれない。ローカル路線バスの乗車が好きなのは、こんな利用者のドラマがいろいろ見える(というより見えたものから妄想できる)点も要素としてあるように思う。

久々野や小坂の市街を経由して進むうちに乗客は減っていき、上呂橋場*1で2人降車したことでついに乗客は自分1人となる。まあ下呂温泉までなら鉄道で行った方が早いもんね……なんて当時の自分は考えていた。が、後で裏を取ってみると、高山~下呂間は普通列車だと1時間~1時間10分で本数は2~3時間に1本ほど、かたやバスは1時間1本で所要時間は1時間20分とあまり遜色はない*2。高山~下呂間の移動にバスを選択する人がいてもおかしくないくらいの差だ。もちろん、今回の利用者の中でそんな選択をしたのは自分だけだったので、そんなものなんだろうとは思うけど。

上呂橋場バス停と浅水橋

下呂トンネル手前でバスは国道41号に別れを告げて、旧道伝いで下呂市街へと入っていく。このあたりの光景を見るうち、以前中津川から富山までバスを乗り継いだ際に通った道だという記憶がだんだん蘇ってきた。ちなみに本日の目的地は中津川で、丁度そのときと逆のルートになる*3。前回はバスの待ち時間を下呂駅前で過ごしたが、今回は下呂温泉に浸かりたい。ということで、薬師湯温泉下で降車する。近くに露天風呂のみの日帰り温泉施設があるので、そこでこれまでの汗を流し、のんびりと温泉に入って今日の疲れを癒した*4

薬師湯温泉下にて
薬師湯温泉下バス停と濃飛バス


*1:このバス停、高山方面行のバス停前に歩行者用のつり橋があって、雰囲気のあるバス停に見えた。

*2:高山駅高山濃飛バスセンター)と下呂駅(下呂駅前)での比較。なお、運賃面でも鉄道が990円でバスが1,060円と100円も違わない。

*3:実際は神岡~高山間の経路が異なっているので、厳密にいえば違うルートにはなるけれど。

*4:ちなみにこの露天風呂で、dpz江ノ島茂道氏にそっくりの人を見かけた。関取みたいな風格があって、やっぱり大きかった。