2024.10.12 山之村往復2

山之村へは2度ほど行ったことがあるが、いずれも車での訪問だ。バスでの訪問は今回初めてなので非常に楽しみだ。

2024.10.12[Sat]
濃飛バス神岡営業所11:09→山之村牧場12:11~下之本・神明神社前(行)
飛騨市 ひだまる [O11]山之村線、¥200、25.0km

濃飛バス神岡営業所にて
飛騨市 ひだまる 下之本・神明神社前行

40分ほど待って、自分の中では今日のメインイベントとなる山之村線に乗車する。出発直後に行先などの案内が運転士より口頭であり、その際「すいません、このバス放送がないので、降車するバス停をあらかじめ教えてください」と尋ねられた。バスの車体はワンボックス車だったのでその時点で気づくべきだったが、降車ボタンがあったので油断していた。慌てて「山之村牧場です」*1と返す。そんな運転士の丁寧な案内と運転に覚えがあり、先ほど神岡営業所まで利用したバスの運転士だと気づく。運転士も覚えていたようで、古川と神岡で天候がずいぶん違った話などで盛り上がったりしながら神岡市街を進んだ。

バスの座席は後方より3-3-2と運転席の定員8人と少なめだが*2、「貨客混載」のマグネットが貼られていたので、最後部にあった座席1列を撤去して対応しているものと思われる*3。出発してすぐの神岡中心部の経由地はけっこう複雑で、建物の敷地内まで乗り入れる「寄り道」は神岡振興事務所飛騨市民病院道の駅スカイドーム・カミオカラボの3連続とたかはら前*4で計4バス停、経由するバス停や順序も路線によって異なり、同じルートで走っても良さそうな濃飛バスの上宝・神岡線*5とも違っていた*6。そんなややこしい神岡中心部を旭ヶ丘まで走ると、市街地から外れて山之村へと向かう岐阜県道484号へと入る。ここからが本番だ。

岐阜県道484号へ入るや否や、運転士より「ここから道が険しくなり、ダンプとのすれ違いも多く発生しますのでご注意ください」*7といった案内が入る。出発時に同様の案内があったのですでにシートベルトは装着済だったが、急な上りとブラインドカーブが続く道を見て気を引き締める。神岡の街を見下ろしながらしばらく山道の上っていくと、神岡鉱山の堆積場である鉱滓ダム*8が見えてくる。Googleマップでは湖表示になっているが、堆積場はほぼ土で埋まっており、キャタピラー社のショベルカーや一般道では見かけないような大型ダンプがそんな湖面や湖畔で休んでいた。景観的にはダムサイトを走るバスなんだけど、ダムが蓄えているのは水ではなくスラグで、その湖面上には大型建設機械が佇んでいる、というけっこうシュールな風景の中を進む。他ではなかなか見られない景色だ。

ダム湖の終端部まで走ると集落があり*9、神岡の街を抜けてから10分ぶりのバス停和佐保を通過する。このあたりはまだ人が住んでいるようだ。余談だが、飛騨地方のバス停はこの和佐保バス停みたいなスタイルが多く、待合所のドアの有無や扉位置などに若干違いはあるが、郵便ポストのある片流れ屋根の待合所とバス停の組み合わせは、「富山県境を越えて走る路線バス 3(岐阜県境編)」で訪問した横山バス停や、田舎の一バス停なのに「君の名は。」のおかげでGoogleマップのクチコミ情報*10が充実している落合バス停は似た雰囲気になっている。

ひだまる山之村線 和佐保バス停

和佐保を過ぎると再び険しい道となり山を登りつめていく。神岡の街が今までよりも遠く低く見えるようになってくると峠部にある伊西トンネルに入る。新しめのトンネル*11を抜け、ようやく山之村エリアとなり伊西集落へと降りていく*12伊西上バス停は和佐保以来23分ぶりのバス停だ。次の森茂*13集落へは小さめの峠を越える必要がある。山之村は集落が跡津川の各支流沿いに存在し、集落間の道は尾根越えが必要なところが多い。そういう点においては他では見かけない集落形態だと思う。

森茂集落に降りてくると、かつてはあったくみあいマーケットが更地になっていた*14。たしかにバス停名も旧森茂農協前だったわけで、すでに営業はしていないだろうとは予想していたけど、建物までなくなっているとは思わなかった。初めて山之村へ来たとき、ここで飲み物を買った記憶が今でもあるので、更地になった姿はずいぶん寂しい気持ちになった。

在りし日のくみあいマーケット(2023年10月)

旧森茂農協前の次は森茂センターだが、バスは回り道をするようにして進む。おそらくだが、神岡市街を脱出して以降の山之村線は「どこでも乗降区間」(いわゆるフリー乗降区間)になっているので、できる限り人家のあるルートを進み、利用者があまり歩かなくてもバスを利用できるよう配慮しているのだと思う。ただ、ここまで触れてこなかったが、このバスの利用者は最初からここまで自分のみ。休日だからかもしれないが、自分以外の利用者がいないのは寂しい。

そんなこんなで山之村牧場に到着する。終点まで乗り通したい気持ちはあるが、終点には特に何もなく、またバスの折り返しまで2時間半ほどあるので、時間を潰す目的で牧場前で降車した。

山之村牧場にて
山之村牧場へ到着したひだまる


*1:「ぼくじょう」と発声したが、後日公式サイトのurl(https://www.yamanomura-makiba.jp/)から「まきば」だったことに気づいた。ただ、開設時に富山で流れていたCMでは「ぼくじょう」と言っていた記憶があるんだけど。

*2:助手席位置には座席の設備なし。

*3:なお、貨客の仕切りとしてブルーシートが吊るされていた。

*4:「たかはら」とは老健施設のようだ。

*5:標高差2,721m 80」参照

*6:この辺、路線図ドットコムでも表現には苦労しているようで、通常の「飛騨市 バス路線図」に加えて、図中に神岡中心部拡大図や路線ごとのバス停の経由地の図まで併記しているくらいだ。

*7:この日は土曜日だったため、幸いダンプとのすれ違いはなかった。

*8:wikipedia:鉱滓ダム

*9:この付近のみ水が溜まっていた。

*10:ここに書かれている「今はもうバスは走っていない」というのは嘘なので注意。今でもひだまるの宮川線が平日1日6回通過するし、そもそもそう書いている人がアップロードしている写真にバス停が写っている。

*11:トンネルの開通は昭和30年代だが、20年前に改良工事が行われて今の姿になったらしい。

*12:当初、伊西集落の住人はいないものと思っていたが、バス乗車中に郵便配達のバイクとすれ違ったので、少なくとも現住所を伊西にしている人はいるようだ。

*13:読みは「もりも」。

*14:隣接する営農組合の建物のみになっていた。