3か月ぶりの猪谷駅から「標高差2,721m」の続きを進める。前回の「標高差2,721m」の記事で「先の道路の復旧が3年後」なんて書いていたが、復旧に時間のかかる通行止め区間である「乗鞍スカイライン」、実は8月20日より仮設道路にて通行ができるようになっていた。もちろん、この区間を走るバスも運行されるようになっている。なので、冬季通行止めになる前に「標高差2,721m」を完結させようと目論んでやってきた次第だ。
猪谷駅にやってきた濃飛バス
良い天気の駅前で待っていると、坂の下の国道41号からバスがやってきた。バスは乗客1人を降ろして一旦待機する。バスから降りた利用者は駅舎経由で列車に吸い込まれていった。やっぱり猪谷駅はジャンクションなんだと改めて実感する。
2024.09.09[Mon]
猪谷駅《標高216.6m》09:15→濃飛バス神岡営業所09:47~道の駅スカイドーム・カミオカラボ(行)
濃飛バス 神岡猪谷線、¥200、22.0km
乗客は自分を入れて4人。男性2人と若い女性2人、女性の方はグループのようだ。グループ客は2人ともキャリーバッグを転がしているので、旅行者に見える。路線バスの移動にキャリーバッグは合わないんじゃないかななんて思ったが、案の定バス走行中にキャリーバッグが通路を転がったりしていた。空いた車内だったので座席に荷物を寝かせて置けば良いのにと思うが*1、最後までキャリーバッグは立てたままで、手で支えたり座席の隙間に挟み込んだりしていた。
この路線バスは廃止された神岡鉄道の代替となっているもので*2、猪谷駅を出発するとすぐに県境を越えて、次のバス停である中山は岐阜県となる。運行本数は平日5往復・土休日は3往復で、鉄道廃止の代替路線としては寂しい本数となっているが、それくらいで賄える利用者しかないのだろう。また、神岡方面行で特徴的なのは、終点である道の駅スカイドーム・カミオカラボが降車専用バス停となっている点*3。終点だから降車専用なのは当たり前と言えばそうかもしれないが、終点1つ手前の飛騨市民病院出発時点で乗客がいない場合、道の駅へは向かわないと意味のようだ。理屈としてはやっぱり乗客がいなければ終点へ向かわなくても良いように思うけど、この濃飛バスのようにちゃんと明示・届出していないと行政処分の対象になるようだ*4。
茂住でもう1人の男性が降車する。バスのルートは基本的に国道41号で進む。ところどころ工事のため交互通行の区間がある道をバスはのんびりと進んでいく。基本的に流れの良い道なので、後続車から見ると路線バスは迷惑に感じるかもしれないが、その辺は運転士も心得ていて都度後続車を流すように道を譲りながら進んでいく。このあたりは急峻な谷を進むので集落も少なく、そのせいでバス停もあまりない。運転士はバス停通過直後ではなくバス停に近づいたタイミングで次のバス停のアナウンスを流すタイプの方だったが、バス停間が長い路線だとこういった運用の方が良い気もする*5。
西漆山のバス停は乗車区間唯一の寄り道先。バス停の位置からして、おそらくだが鉄道が廃止されたタイミングで追加されたバス停のように想像する。旧神岡鉱山前駅最寄りの神岡鉱山口を通過すると次は濃飛バス神岡営業所、結局出発地の猪谷駅以外からの乗客はないままの到着となった。女性グループは道の駅へ向かうのだろうか、走り去ったバスに乗車したままだった。