2023.04.20-23 標高差2,720m 10

山形・新潟県境は徒歩で繋ぐ。

なお、今回歩いた部分については、2023年10月以降なら村上市コミュニティバス「鼠ヶ関線」が運行されるようになる*1。この区間、かつては庄内交通の府屋線として、また直近では新潟交通観光バスの伊呉野線としてバスが運行されていたが2019年3月に廃止されている*2。路線名の変遷はあれど4年半ぶりの復活となる鼠ヶ関線だが、前掲注の村上市の資料によると、運行区間は勝木~イオンタウンあつみで平日2往復、運行主体は村上市コミュニティバスとなると書かれている*3。「もう少し自分の方の開始時期を遅らせておけば」なんて思う反面、半年も延期していたら年内にゴールまでたどり着けそうにないし、来年になれば今度は別の区間がなくなるかもしれない、という想いもある。徒歩連絡にはなったがこの時期だけの乗り継ぎができた、と自分で自分を慰めておく*4*5

2023.04.22[Sat]
イオンタウンあつみ…府屋中町/徒歩、4.7km

遠く府屋まで一望できている
国道7号と日本海村上市伊呉野)*6

イオンタウンでトイレに借りた後に歩き始める。事前に調べたところ府屋までは5.3km*7、府屋中町を出発する最終便はちょうど1時間後なので、間に合わない前提でここの計画を立てていた。そして、現地では1時間後にバスがあることをすっかり忘れていた。

由利本荘 121km

歩き出す前に振り返ると、「由利本荘 121km」の看板が目に入る。そういえば今日は6時過ぎからバスに乗ってきたわけで、その割にはあまり進めてないことに気づき、すぐに酒田駅前あつみ温泉で2時間待ちを繰り返していたらそりゃ進まんわな、という結論に落ち着く*8

歩き始めるとすぐに県境だ。新潟県に入ってすぐの跨線橋は歩道専用のルートで通過したものの、Google マイマップでは辿ってはくれない。しばらくはイオンタウン側、つまり先ほど渡った跨線橋のある東側を歩いていたが、ガソリンスタンドのあたりで東側の歩道が途切れているのが遠目で確認できた。どうしたものかと近づいていくと、途切れる場所にはちゃんと横断歩道があり、その後の歩道は西側に移動していた*9

鼠ヶ関~府屋間の横断歩道①

このあたりは製塩が盛んなようで、歩いている間にもそれを売りにした店を数軒見かけた。ただ、どの店も薪が山積みされていたことから、塩田ではなく煮詰めて作る製法らしい。火を使うのならもっと効率の良いものを使えばよいのに、なんて思ったが、消費者受けするのはやっぱり薪だよなあなんて考えたりもした。また、ルート上には好事家には有名なパチンコ店「Las Vegas*10もあったが、すでに閉店済のようだった。

鼠ヶ関~府屋間の横断歩道②

しばらく歩くと今度は西側の歩道が途切れ、横断歩道で東側に行くよう促される。ちょうど府屋市街に入っていくあたりなので、渡りに船だ。交通量はそれほど多くないが、なかなかのスピードで行き交う車の切れ間を待って小走りで横断する。すぐに集落へ続く道がY字で分かれていくのでそちらへ進み、旧国道と思われる橋を渡り始めると、先の交差点から不意にバスが現れた。

府屋中町にて
雷線*11勝木駅*12行の最終バス

冒頭でも触れたように、ギリギリのタイミングでバスがあることをすっかり忘れていて、まずは「回送?」などと思ってしまう。ただ、府屋中町バス停付近でウインカーを出して停止したので、運行中のバスであることは明白だ*13。このあたりでようやく、おぼろげながらそんなバスがあったことを思い出したが、同時にいくら先のバスに乗れたとしても最終的には計画したバスに集約されるという記憶も蘇ってくる*14。結局、そのままのペースで歩いてもし間に合ったら乗ろう、という感覚で脚を進めたが、上記写真くらいまで近づいたあたりでバスは出発していった。イオンタウンあつみでもたもたしていなかったら間に合ったくらいの距離だった。ということで本日はこの府屋中町で終了となる。

2023.04.22[Sat]
府屋中町…府屋駅/徒歩、0.6km

府屋中町にて
バスが去った後の府屋中町バス停

元々間に合う想定ではなかったので、あまり気にせず当初の予定通り府屋駅まで歩く。バスの走行ルートを辿るように駅へ向かい駅舎でしばし休憩していると、雷行の最終バスが府屋駅に到着し、乗客2人を降ろして空身で雷へ走り去っていった。

2023.04.22[Sat]
府屋17:50→村上18:29羽越本線、¥2,740*15

府屋駅にて
羽越本線 普通 村上行

宿の都合で村上へと向かう。運賃は680円だが、初日の直江津で土日有効の「えちごツーデーパス」を入手済なのでそれを活用する。無人駅なので1両目後ろのドアから乗り込むと、なぜか車内に係員が同乗していた。よく分からなかったのでとりあえず切符を提示すると、そういうことではなく「この車両は汚れておりますので、後ろの車両にご乗車ください」とのこと。確かに甘酸っぱい香りと床面を漂う多量の液状の何かが確認できたので後部車両へと移動する。たぶん、というか確実に吐瀉物だ。そういえば1両目の窓が解放*16されていたが換気目的だったのか、と記憶を辿りながら事情を把握した。

車中では、「そういえば鶴岡と温海で新酒まつりをやってたな」「甘い臭いという点でも新酒の可能性が高そう」「係員はどこから乗ったのだろうか」「吐きそうな人がいたから同乗した、なんてことはないだろうし」「ありそうな話だと、列車内での嘔吐の連絡を受けて途中駅の駅員が同乗したというパターンだろうか」「そうなると鶴岡の新酒まつりの参加者が吐いて、あつみ温泉の駅係員が乗り込んで対応しているという流れかな」なんてことをずっと考えていた。粟島方向に沈む夕日がきれいだった。


標高差2,720m 4/22のまとめ

日付 区間 路線バス 徒歩距離
本数 運賃 走行距離
2023.04.21 [Fri] 大潟富士 → 本荘営業所 3本 ¥2,250 92.1km -
2023.04.22 [Sat] 本荘営業所 → 府屋中町 5本 ¥3,990 151.9km 4.9km
累計 2日 8本 ¥6,240 244.0km 4.9km


*1:令和4年度 村上市地域公共交通活性化協議会」内の「第4回村上市地域公共交通活性化協議会を開催しました(令和5年3月15日)」にある「報告1 山北地域公共交通再編計画案について[pdf]」にて把握。ただしまだ「案」であり、スケジュール上でも2023年10月は「実証運行開始」という扱いになっている(本格運行は2024年4月の予定)。

*2:新潟交通観光バス - Wikipedia」および「車窓に日本海の絶景 トンネル群が物語る難所の歴史 路線バスで旅する新潟・山形県境付近 | 乗りものニュース- (2)」を参考にした。

*3:また、同じタイミングで中継線と寒川方面がデマンドバスになる。

*4:それならそれで、後述する乗り継ぎを無理してでもしなかったことに後悔してしまうのだが。

*5:余談になるが、この区間は勝木にある山北徳洲会病院が通院者を対象とした送迎バスを運行しており、健康友の会に入会することで(おそらく住民限定だろうが)それを利用することができる。運行曜日やコースは「村上市地域公共交通活性化協議会」にある「村上市地域公共交通計画[pdf]」(2021年4月1日更新)の「地域及び公共交通の現状」~「そのほかの移動手段」(pdfでは34ページ)に記載されている。

*6:写真中央、山腹に白い建物が2つ見えるあたりが府屋付近となる。

*7:ただしこれには勘違いがあり、府屋中町までの距離ではなく府屋駅までの距離だった。

*8:他の場所の待ち時間も、イオンモール三川で30分エスモールバスターミナルで1時間と、この日はバス待ち時間が多い日ではあった。

*9:もちろん、Google マイマップにそんな細かい対応は無理なので、地図上ではずっと東側を歩いたことになっている。

*10:蛭子能収氏が寄り道した店らしい。自分は未見なので詳細は不明だが、そのせいでバスに間に合わなかったとか。

*11:「いかづち」と読むようだ。

*12:「がつぎ」と読む。

*13:時間調整のための待機と思われる。

*14:あとで確認したところ、そのバス(雷発府屋中町17:16の勝木駅行)に乗れていれば、翌日の朝の出発がのんびりできたのでそれなりにメリットはあった。

*15:えちごツーデーパスを利用。

*16:上記写真でも手前の窓が開いていることがかろうじて確認できる。