2022.04.30-05.07 南から北へ235

階段口が「閉鎖中」と書かれた板でふさがれている
閉鎖された跨線橋

長万部では2時間半の待ち合わせ。特にやることもないので、駅裏にある長万部温泉へと向かう。ニュースで見聞きしていたとおり、駅の北側にあった歩道の跨線橋は2022年3月末をもって閉鎖されていて*1踏切経由の遠回りとなるが、時間はたんまりあるのでのんびりと歩く。ただ、跨線橋はとりあえず閉鎖しただけのように見えたので、せめてGWまでは開放しておいてもらいたかったという気持ちもないわけではない。

長万部温泉にて
長万部温泉ホテル

当初予定していた旅館の日帰り入浴の開始時間が15時と知り、長万部温泉ホテルに変更する。「大衆浴場」とあるように、こちらの浴場は銭湯的な雰囲気・価格だった。小奇麗な施設も良いが、昔から営業を続けていて使い込まれたお風呂というのも味があって良い。入浴後はまたのんびりした足取りで駅へと戻る。時間のあるうちに昼食にしても良いのだが、あいにくそれほどお腹は空いてない。どうせ次の乗り継ぎも1時間くらいは間が空くので、昼食は先延ばしにして駅の中でバスを待った。

長万部駅前にて
ニセコバス 長万部駅前バス停

次に乗るバスの停留所は、駅の構内ではなくちょっと離れところにあった。10分前に移動したところ、すぐにぽつぽつと人が集まってきた。バスを待つ人々はこの辺の住民のような雰囲気ではなく、自分と趣味の近い人たちばかりのように見えた。

2022.05.02[Mon]
長万部駅前12:00→寿都ターミナル13:02
ニセコバス 長万部線、¥1,330、41.3km

長万部駅前にて
ニセコバス 寿都ターミナル行

ここまでは主に函館バスを乗り継いできたが、ここから先はニセコバスのエリアとなる。長万部駅からのバスは今回の行程の中でもっとも運行本数が少なく、1日1本のみ、しかも日祝日運休だ。なので、GW中に移動するならこの日の乗車しかありえないということになる*2。函館から長万部へ直行せずに日本海側をバスで北上したのも、このバスに合わせるための一要素だ*3。なお、この路線を経由しないと、函館方面から札幌方面への路線バスは繋がらない*4。つまりこの路線を経由するのは北海道縦断の際はマストということになる。

そんな路線にマニアっぽい人ばかり5人が乗車する。バスに乗るのだからバス好きなのかもしれないが、他の人の挙動を確認してもバスに興味がある風には見えない。ただ、前述のように北海道を路線バスで縦断するのなら、この路線は外せないはず。函館から長万部行のバスでやってきた人たちなのかもしれない。ルートが被ったらちょっと気まずいなあ、なんて心配までしてしまう。

12時ちょうどにバスは出発する。次の長万部役場前でおじいちゃんが1人乗車する、地元の人の利用があって少し心安らぐ。バスは函館本線沿いに進み、まずは黒松内を目指して走る。長万部黒松内間は鉄道が4.5往復、バスが平日のみの1往復。公共交通機関で行き来するのが非常に大変な区間だ。ただ、このバスの利用状況を見ると、それは仕方のないことのように思える。

黒松内町に入って最初の寄り道である黒松内温泉でさきほどのおじいちゃんは降りていった。ここから先の区間は1日3往復となり、夕方にあと1本ある*5、もしかしたらそんな運行事情も把握したうえでの途中降車なのかもしれない。本当にそうならおじいちゃんもバスマニアと言えそうだ。

次の寄り道先である黒松内駅前でマニアと思しき3人が降りていった。どうもバスではなく鉄道に興味のある人たちだったようだ。ほっとする。黒松内の市街地を抜けると函館本線からは離れて、バスは寿都方面へと進むようになる。次のバスで岩内方面へ進むため、追分以降のどこかのバス停で乗り継ぐつもりだが、次のバスまで時間があるので終点まで乗り続ける*6。当初の予定ではこの先のゆべつのゆでバス待ちついでに入浴と昼食なんてのを思い描いていたが、定休日が毎月第1月曜日ということで諦めていた……ところ、なんと営業中。あっけにとられてバスを降りることもできず、乗客を1人拾ってバスは出発してしまう*7

残念だが仕方がないので、そのまま乗り続けて終点を目指す。数分で高台にある寿都の市街地に入り、江差ターミナルと同じような立地である、寿都の町はずれにある寿都ターミナルへと到着した。

寿都ターミナルにて
ニセコバス 寿都ターミナル

ぼんやりした計画では周辺にある食事処、適当なところがなければ道の駅で昼食なんてのをイメージしていたが、急にそんな気持ちがなくなってしまい*8近くにあったセイコーマートで食料を購入し、ターミナルの待合室でもそもそと食べた。


*1:北海道新聞長万部の東西つないで半世紀 さらば中央跨線橋 31日「渡り納め」新幹線延伸で撤去」が詳しい。

*2:4/30(土)の昼に長万部までたどり着くのは難しく、またこの日を逃すと次の運行は5/6(金)となる。

*3:もちろん主因は「ただ乗ってみたい」ということだが。

*4:……はず。少なくとも自分は見つけられなかった。

*5:ただし、この路線のどのバスも日祝日運休なのは変わらない。

*6:なおニセコバスの全路線時刻表には、黒松内長万部方面へは「みのり橋」でお乗換えください。とあり、ニセコバスの推奨乗り継ぎ停留所はみのり橋であるようだ。これは追分だと各方面のバス停が離れているからじゃないかと予想している。

*7:後日公式サイトのお知らせを確認したところ、本来であれば2日となりますがGW期間中のため一週遅れて本日休館となっておりますと書かれていた。あらかじめ電話で確認しておくべきだったと後悔した。

*8:「ゆべつのゆショック」が大きかったんだろうと思う。