江差の街へ出るバスは2時間以上なく、さらには次の乗車予定のバスの出発までだと3時間近くある。さすがに営業所の待合室でそんなに待機するのは厳しいので、タクシーで街へ出て昼食と観光(洋館とか商家とか)で時間を潰して江差ターミナルへと戻る。出かける前と変化はなく待合室に人影はないが、ストーブが点いていて暖かくなっていた。
江差ターミナルの待合室
出発10分前くらいに車庫の方を見やると、次に乗るバスが待機していた。約3時間ぶりのバスだ。
2022.05.01[Sun]
江差ターミナル15:47→熊石17:10
函館バス [624]桧山海岸線、¥1,550、57.4km
函館バス 熊石行
江差ターミナルから乗車したのはもちろんひとり。出発して間もなく陣屋団地バス停を通過する際にロータリーのような場所を経由したが、おそらくここが旧江差駅なんだろう。旧松前駅の博多公宅前バス停と言い、街に近い廃駅は住宅地になりやすいのかもしれない。
やがてバスは江差の市街地を抜けて海岸線を走るようになる。このあたりは風があまりないせいか波も穏やかだ。しばらく進むと江差病院前と江差高校前で続けざまに寄り道する。時間帯からして平日なら帰宅する生徒で混み合うバスなんだろうと想像する。もちろん今日は人気がない。
乙部町に入り、館浦の先でバスはUターンする。函館バスのトップページにも赤字で書かれているように*1、この先は崖崩れのため通行止が発生しており*2、バスは山側を迂回して運行している。ルート立案時にこの件には気づいていたので、通行止め前後のバス停の時刻を調べておいたが、館浦が16時28分で次の鳥山が16時38分となっていた。通行止区間は多く見積もっても2~3分程度の距離なので、それを10分としているのは迂回を見越した時刻、よってさほどの遅れにはならないだろうと想定し、その先の乗り継ぎはオンタイムでできる前提で計画した。実際、数分の遅れはあったものの気になるほどではなく*3、けっこうな遠回りとなった迂回路も無事通過して海岸線の道路へと復帰した。
このまま終点まで行ってしまうと久方ぶりの「バス利用時に自分以外の乗客なし」になるなあ*4、なんて考えていると、元和で1人乗車があった*5。利用者がいるのはいいことだ、少しだけほっとする。
迂回後のバスは淡々と海岸線を走って終点の熊石を目指す。三ツ谷のあたりでは奥尻島も見えた。海側の雲が切れて日差しが差し込むようになり、景観が3倍増しで良い眺めになったような錯覚を受ける。ちょっと嬉しい気分になるが、そんな高揚した気持ちのまま終点に到着となる。