2日目。朝1番のバス*1に乗っても良いのだが、最終的に先の乗り継ぎで詰まるのが見えているので、1本遅らせてホテルの朝食をいただいてから出発する。木古内駅前には道の駅が併設されているせいか、朝でも活気があって人出も多い。道の駅にある仮設テントではラーメン屋がすでに営業していたのには驚いた。駐車している車は札幌ナンバーが多く、利用者の多くは旅行者のようだった。
2022.05.01[Sun]
木古内駅前07:38→松城09:10~松前出張所(行)
函館バス [523]木古内・松前線、¥1,300、55.9km
最初に乗るバスは松前方面へ向かう路線。函館バスは経由地別に細かく系統番号を設定しているようで、乗車するバスも時刻表上は523系統となっており知内高校前を経由する便となっているが、本日は日曜日ということで高校への乗り入れはなし、実質521系統での運行となるようだ。木古内駅前からの乗客は6人、自分以外は2人と3人のグループらしく、道の駅の利用者同様こちらも観光客のように見える。
昨日乗ったバスには「松前城へは松城で降車してください」みたいな掲示物があったが、このバスにはそれがない代わりにアナウンスでその旨が伝えられた。まあ、ちゃんと下調べしておかないと分かりにくいので良い案内だと思うが、乗り過ごしたみたいなクレームが多く寄せられるんだろうなあと想像した。そんなご案内の後にバスは定刻で出発する。昨日とはうって変わって重たい雲と小雨の中をバスは動き出す。
しばらくは木古内の街を抜け、すぐに国道228号に出て、その後は知内まで海沿いの道を行く。海は昨日より波があるように思える。途中、旧木古内自動車学校なんてバス停を通過するが、なかなか物悲しいバス停名だ。内陸側を眺めると建物はすでにないが、教習用のコースが残っているのを確認できた。今は函館まで行って免許をとるのだろうか。さすがに通いは厳しいから合宿で取得したりするのかな、なんていろいろ想像する。
木古内自動車学校跡の航空写真(右下のバス停が旧木古内自動車学校)
道がやや内陸に入り始めたあたりで知内出張所へと寄り道し、2分ほど停車する。構内にはバスが2台停車していた。付近には旅館があったり、また「知内駅前簡易郵便局」なんてのもあったので*2、松前線の知内駅跡と思われる。木古内を出てから本降りとなった雨がいよいよ強くなってきた*3。ついていたのは、この日の雨はバス乗車中ばかりに降っていて、傘を出すことはなく過ごせたのが幸いだった。
知内からは山越えとなり、その後福島、吉岡と街を抜けて松前となる。山越えの間、湯の里温泉入口の次の千軒中央までは区間運賃250円、千軒中央の次のバス停である千軒から隣りの茂山までは290円と、千軒という集落はずいぶん隔絶された山中にあることが分かる。そもそも「千軒」という地名が良い。昔はたいそう栄えた場所だったのだろう。
福島の市街地まで降りるとふたたび海沿いを走るようになり、いつの間にか風が強くなっていることを知る。日曜日、それも雨の朝ということからか、人の気配が少ない街をバスは通り抜けていく。吉岡の街では更地になった道路沿いの土地に郵便ポストだけが立っている場所があった。更地になる前は商店だったりするんだろうなあ、なんてまたもいらぬ妄想を膨らます。
吉岡を過ぎるとロックシェードとトンネルばかりの険しい道で白神岬を回って松前町へと入る。松前町最初のバス停である白神下町は北海道最南端のバス停。今回は待ち時間が長すぎるためここでの降車はしなかったけど、できることならいつか北海道の4隅のバス停をめぐる旅なんてのをやってみたいという気持ちはある。降りる予定のバス停の少し前、中道で1人乗客があったが、これが始発バス停以外では初めての乗降だったりする。すぐに松城バス停へ到着、結局ここでは木古内から乗った6人全員が降車となった。
松城に到着した松前出張所行