本日10本目、これが今回の行程の最後となるバスだ。バス停で待っていると、ツバメに似た何かが、ツバメにしては不安定な飛び方で舞っていた。しばらくは「調子悪いツバメかな?」なんて見ていたが、そのうちコウモリだと気づく。もうそんな時間だ。
2021.05.07[Fri]
柏崎駅前(発)~松美町18:27→長岡駅前19:30
越後交通 長岡駅前=柏崎駅前線、¥700、33.4km
松美町から乗り込むと、すでに高校生が乗車済で、7人がいずれも後部座席で別々の椅子に座っていた。なるほど、密は避けないとだな、と後部座席の残った席に腰掛ける。高校生が帰るのにちょうどよい時間のバスなんだろうと考えていると、次の瑞穂中学校入口でも制服姿の若者が5人乗り込んできた。当初は中学生もバス通学か、と思ったが、けっこうな距離を乗っていたので、こちらも高校生だろう。いつもはお年寄りばかりのバスに乗っているけど、高校生もバス利用者の中では多いはず。通学時間帯ならこんな感じで混むのだろう。
乗ったバスは西山経由の便なので*1、長崎新田で国道8号から国道116号へと入る。方向幕*2で「急行」を名乗るだけあって、走り良い道を快調に進む。バス停間隔も長めで、前の信号が赤になるとエンジンブレーキで早めに減速し、停車する前に青に切り替わるよう速度を調整し、青になったらローリングスタート*3、といった感じで止まらずに進んでいくのはちょっと楽しくもある。
しばらくはバイパスを進んだが、長嶺入口手前で線路沿いの道に逸れ、礼拝まで進み、そこからは旧西山町の中心街を抜けて南下する。西山町は田中角栄氏の出身地で、そのおかげで国道116号がいい道だったり、西山インターチェンジが開設されたなんて噂話を聞いたことがあるが、どこまで本当なのかは不明だ。ただ雪国なので、除雪する都合上道幅は広めになるのは政治家の影響だけじゃないよなあ、なんて思う。国道ほどではないにしても、その後もバスは快調に進む。
快調だが単調にバスが進むせいか、左前に座る高校生は舟を漕ぎだした。右前の高校生は何らかのスマホゲームに夢中で、画面の左右から出てくる青と赤の玉をタイミングよくタップしている。音ゲーなのかも? イヤホンしてるし絶対そうだ、と納得しそうになったが、直後に表示されたキャラクター紹介っぽい画面で「まだ恋とかわかんねー」とか書かれていたので、乙女ゲーだったのかもしれない。とりあえずすごく熱中してやっていたことだけは伝わった。
礼拝あたりで完全に真っ暗になり、その後は山間部の走行になったため、しばらくはどこを走っているか分からなかったが、大積で国道8号に出て、そういえばそんな名前のパーキングエリアが北陸道にあったなあ、ということで位置感覚が復活する。柏崎からずっと乗車していた高校生たちは、この国道沿いの宮本と関原南にて相次いで降車した。付近には新興住宅地があるものの、まとまって降車したのはどういうわけだろうか。自家用車での送迎に都合の良いバス停、とかだろうか。
最大で14人の乗客がいたバスも、関原南発車時点ではわずか2人となる。このあたりの車内放送で「新型コロナ対策のため」云々のアナウンスが入った。録音されたアナウンスで新型コロナ関連の放送を聞いたのは初めてかもしれない。まあ、今後もしばらくはこの禍は続きそうなので、今後はいろいろなところで耳にするようになるだろう。なお、越後交通の運転席付近の最前部座席2席は、頸城自動車同様に封鎖されていた。富山県内のバス会社では利用可だったので、こういった対応の地域性というのも少し気になった。
長岡インター手前で視界が開け、平野部に出たことを知る。国道8号から離れて喜多町に着くと、今度は長岡の高校生が11人乗り込んできた。ジャージ姿の人も交じっているので、部活動を終え遅めの帰宅となった生徒の一群だろうか。次の三ッ郷屋では柏崎からの乗客が降りてしまったので、通しの客は自分だけとなる。長生橋で信濃川を渡ると、金沢からの長かった移動ももうすぐ終わり。バスは7分ほど遅れたが、無事長岡駅前へと到着した。
*1:長岡駅前行のバスは、曽地経由と西山経由が交互に運行されている。
*2:バス前面にある行先表示装置のこと。最近はLEDばかりになったが、言葉としては「幕」を使う。wikipedia:方向幕が詳しい。
*3:こういった走り方を、個人的には「トラック走り」と読んでいる(バイパスを走る大型トラックが良くやっているので)。