そういえば次に乗るバス停の位置を把握していなかったので、周辺を探す。次のバスも佐賀が起終点となっているバスなのに、終点方面へのバス停はあるものの、逆方向へ向かうバス停が見当たらない。終点近くで省略されるのはその終着地へ向かうバス停だと思っていたが、そうでもないようだ。結局バス停は1つしか見つからなかったが、そのバス停に両方向の時刻表が掲示されていたので*1、道路の反対側で待った。
へんろ道案内(中央)と佐賀駅前バス停(左)
土佐佐賀駅あたりもへんろ道のルートになっているらしく、バス停近くには歩き遍路の案内板があった。上記写真のような指示の場合、右下へ向かう下り坂を進むということになる。バスを待っている間にも数名の歩き遍路がここを降りていった。この赤矢印、見落とすときついんだよなあ、でも割と高頻度に見かけるので、見かけなくなったらすぐ引き返せば何とかなるんだよなあ、なんて20年近く前に一国だけやった歩き遍路のときのことを思い出した。
バスを待っているうちに雨が強くなってくる。傘を差して待っているとバスがやってきた。
2019.04.30[Tue]
佐賀中(発)~佐賀駅前13:07→窪川駅前13:40
四万十交通、¥960、21.6km
四万十交通 窪川駅前行
ここからは四万十交通のお世話になる。アナウンスあり、運賃表示器もありと、最近の一般的なバスになるが、行先表示は「窪川-佐賀」といったスタイルで、どちらへ向かうバスなのか把握していないと逆方向へ連れて行かれる可能性のあるバスだ。運賃表示器も最近どこでも見る液晶タイプだったが、ひらがなは表示されるものの、ローマ字表記は表示されない。行先の区間表示もローマ字未入力もつまるところは省力化、運行コストの削減目的だろうか。
ルートは1本前と同様に、基本的には国道56号を進む。国道から外れるのは両端部と熊井バス停付近くらい。拳ノ川峠バス停も道路わきの側道に入ったから、ここも若干とはいえ国道から外れた。拳ノ川峠以降、山あいに入るにしたがって天気はひどくなるばかり。そんな中、次のバス停案内で「片坂大カーブ」と入り、思わず背筋が伸びる。足摺岬以来のカーブ名バス停だ。曇りつつあるガラスを手で拭って、バス停を把握しようとしたものの、バス停を確認することはできなかったが、高知県ではもしかしたらポピュラーなバス停命名法なのかも、という想像がむくむくとわいてきた。
険しい道を登りきると、一転下りは緩やかになる。平地に田畑が見え、人家も増えてくると終点は近い。結局自分以外の利用者は姿を見せぬまま、窪川駅前へ到着する。終点の窪川駅前は土佐くろしお鉄道の駅舎の前だった。駅舎内には四万十交通の事務所も入っている。次のバスまで約2時間、ここで待つことになる。
時間はたっぷりあるのでJRの窪川駅の方へも行ってみる。土佐くろしお鉄道の待合室にはほとんど人がいなかったのに対し、こちらは人でごった返している。何でもトロッコ列車が立て続けに出発するらしい。でも、こんな天気と分かっていたらトロッコなんて乗らないよなあ、なんて思う。
待ち人が多いせいか、待合室が蒸し暑いので駅舎から出ると、JRの駅前でもバスの発着があるようで、その路線が掲示されていた。コミュニティバスと興津、志和行はJRの駅前から、それ以外は土佐くろしお鉄道の駅前が発着地と書かれている。駅前が狭かったり、元の路線がJRバスだったりなど*2、いろいろ理由は想像できるが、一見さんには難易度が高そうに思える。
さて、まだ時間がある。くろしお鉄道の駅へ戻り、掲示された路線図を眺めたり、駅舎内のベンチで本を読んだりして時間を潰した。
四万十交通 路線案内図