2019.04.26-05.03 四国逆回り18

9時前に宿毛へ到着してから3時間、だらだらと過ごしてきたが、ようやく先へ進める。

2019.04.29[Mon]
宿毛駅12:04→清水プラザパル前13:27
高知西南交通、¥1,800、49.7km

宿毛駅にて
高知西南交通 清水プラザパル前行

土佐清水市まで走るバス*1だが、車体は小さめ、乗客に合わせたサイズと思われる。宿毛駅での乗客は5人、自分以外は地元の用務客のようだ。そういえば宿毛歴史館で「大月経由のバスはあんまり観光客乗らないねえ、足摺岬へはみんな中村から行くよ」なんて言われた記憶がよみがえってくる。

高知県では広範囲でICカードですか」が使えることを把握済なので、運転士に「ですか」購入の旨を伝えるが、あいにく持ち合わせがなく土佐清水からなら渡せるとのこと。まあ、いくらICカードで乗車しても「ですか」は利用額ポイント制*2なので、ポイントが使えるようになるまで貯まらないのは目に見えているが、土佐清水での乗継割引サービスが適用できないのは少し残念だ。もっとも、割引額は100円なのでそれほど悔しくなるほどの額ではないし、そもそも宿毛で時間があったのに、営業所まで買いにいかなかったこちらの手落ちでもあるので、あまり気にしないことにする。

だんだんと雨が強くなる中、バスは宿毛駅を出発する。駅を出た後は南へ進み、松田川を河口付近で渡ってまずは大月町を目指す。バス会社が変わったのでバス停の生え方を確認すると、高知西南交通も宇和島バスと同様に「植樹」タイプだった。

宿毛から大月町までのバスはいくらかあるので、他の利用者はそのあたりまでの利用だろう。それにしてもちょっと寒いな、なんて思っていると、バスに暖房が入る。デフロスター*3を作動させただけかもしれないが、寒さが和らいだのでちょっと嬉しい。

西南交通の運転士はバスの後ろに車が連なってくると、避けられる場所では積極的に避けて、溜まった車を解放している。この辺は宇和島バスのときもそうだった気がする*4。そういったことを気にせずバスが先頭になって走り続ける地域も多いので、都度道を譲るのはちょっと新鮮だった。ちなみにこの「四国逆回り」では(たぶん)初のオートマ車だったが、走り出し以外はマニュアル操作でギアを上げ下げしていた。そういう流派の運転士なのだろう。大型車のオートマにおける減速時のショックは乗っていて気になる方なので、もしかしたらこの運転士、丁寧な運転を優先する人なのかもしれない。

一本松の先で大月町へ入ると、しばらくは海から離れたルートとなる。ここまで短距離の利用者はあったものの、それ以外に乗降はなく、乗客数の変化はない。こちらの予想よりずいぶん長距離を利用するようだ。大月役場前あたりから雨が本格的になる。大月町内のバスの結節点であるふれあいパーク大月でも乗降なし。接続がないからだと思うが、このバスの到着時刻が12時28分なのに対し、町内4方面に向かうバスがすべて5分前に出発するというダイヤはあんまりなな気がする*5

才角大浦分岐で1人ずつ降車。そういえば、先述の「植樹」タイプバス停のエリアに入ってから、「○○分岐」というバス停を見かける頻度が高くなった気がする*6。「○○分岐」は○○集落への分岐路があるところ、他の地域で言うと「○○入口」とかだろうか。大浦分岐からは海沿いを走る。振り返ると、大浦方面からバスのライトと思われる光源がこちらに向かってくるのが分かった。時間的にふれあいパーク大月を5分早く出た町内線と思われる。町内線は大浦を経由した後の小才角が終点なので、小才角では宿毛発が5分先行するような形となる……が、それにしても不思議なダイヤだ。

小才角の先は土佐清水市の領域。土佐清水に入ってすぐの大津で1人降車し、以降は乗客2人となる。ただし、このあとは土佐清水へ向かう客が2人ほど乗車して、終点での乗客は4人だった。数は多くはないが、宿毛から土佐清水まで長距離を利用する乗客がいた、という点は興味深かった。ルート的にはほとんどの区間が国道321号であり、寄り道もわずかに川口市民センター前のみ、集落内を通る旧道も走行しないというのはちょっと珍しいような気がした。なんて言えばいいのか、ストイックな姿勢で終点を目指す路線とかだろうか。

結局、途中からの乗客も地元の人のみ、観光客は自分だけで終点の清水プラザパル前へ。交代の運転士はすでにバス停横で待っていた。こちらは清水バスセンターで交代するものだと思い込んでいたので、何事もなかったかのようにバスセンターを通過した際は相当心配したが、路線バスの終点で交代する運用だったようだ。

この先は足摺岬まで同じ車体で進むが、路線としてはここが終点なのでと、いったん運賃を精算する。合わせて、新しい運転士から「ですか」を入手し、さっそく3,000円チャージする。「ですか」のチャージはチャージ分の紙幣を運転士に直接渡す方式だった。地鉄バスは運賃箱(というか、両替する紙幣の挿入口)にチャージする金額を投入する方式だが、よくタッチのタイミングが合わなくて、チャージのつもりが両替になってしまう悲劇を何度か見たことがある。なので、「ですか」のチャージ方法は割とシンプルで間違えにく、良いように思った。


*1:清水到着後、このバスが足摺岬行となったので、さらに距離を伸ばしている。

*2:この分類については「路線バスICカードのまとめ」で説明している。今回の「四国逆回り」で使用したものについても、いずれ追記しておくつもり。

*3:フロントガラスの曇り止め装置のこと。

*4:なお、この後乗車した高知県内のバス会社はどこもこの対応をしていた。

*5:約1時間前に大月止まりの宿毛からのバスがあるので、それで乗り継ぐようになっているのだろうが、1時間前に出たバスは1時間前に着くわけで、接続するバスとは言い難い。

*6:加えて言うと、○○トンネル口というのも高知西南交通ではよく見かけた。