営業所の待合室に食券タイプの券売機があったので、次のバスの運賃をあらかじめ支払っておく。こういった機会にお札を崩して小銭を増やしておくのがバス乗り継ぎのポイントなのかもしれない。今日最後のバスを待っていると、とうとう雨が降り始め、埃っぽい雨の匂いが営業所を包み込む。明日以降の予報はしばらく雨なので、少しばかり陰鬱な気分になる。
2019.04.28[Sun]
道後出張所(発)~卯之町営業所17:31→宇和島駅前18:00~城辺営業所(行)
宇和島バス 松山線[特急]、¥480、19.9km
宇和島バス 城辺営業所行
バスは20分以上遅れてやってきたが、こちらとしては本日最後のバスなので、時間はあまり気にならない。見ると後続バスがぴったりとくっついているので、2台体制での運行のようだ*1。さすがはゴールデンウィークだ。
トップドア車で「特急」を名乗っているが、これから先は下道のはずなので問題はないはず。想定していたのとは逆方向からバスがやってきたので何事かと思ったが、直前の西予宇和インターまでが高速区間だったようだ。1台目の車内に入ると、乗車率は5割程度、それほど混んでいない。対向車線寄りの窓際の席に座って、暗くなりつつある外を眺める。ガラスにはスモークが入っているようで、そのせいか外をより暗く感じてしまい、景色を眺めにくいのが残念だった。
特急というだけあって、一般道を走行する際もすべてのバス停には停車しない。卯之町営業所の次は立間駅前とアナウンスがあり、すぐに法華津ずい道*2に入り、トンネルを抜けると海岸沿いのずいぶん標高の高いところに出る。三瓶から卯之町のパターンの逆だ。
眺めが良いので海などを見ていると、片側の交互通行ということで対向車線を走行する。ふと崖下を見ると、1台のトラックがずいぶん下の方まで落ちて横倒しになっていて、ぎょっとする。きっとwikipedia:平成30年7月豪雨のときのだろう。岡山県の真備町や広島県の被害の印象が強いが、このあたりでもそこそこ大きな被害が出ていたような記憶が呼び起される。実際、wikipediaを見ると、立間駅前バス停のある宇和島市吉田町では前述の災害で11人が亡くなったそうだ。そういえば、四国一周の計画を立てる際に立寄ろうとしていた温泉も、水害のため営業していない旨サイトに書かれていたな、なんてことを思い出した*3。
吉田町図書館とバス停
停車予定のバス停にはほぼすべて停車し、都度数名の乗客が降りていく。後続バスは乗降がなさそうだが、先行したりはせず律儀に城辺行にくっついている。吉田町図書館前の手前で見えた、太鼓橋の向こう側にあるお寺のような建物が図書館そのものと知って、ちょっとびっくりしたりもする。旧吉田町内の停留所は次の吉田町出張所*4までの3つ、知永峠を越えると次第にロードサイドショップが増えてきて宇和島市街に近づいてきていることが分かる。愛媛県内ではフジグランとその小さい版のフジ、後は宇和島までの道中では明屋書店というのをよく見かけたが、北宇和島にあったお店で地場っぽいのはフジグランだけだった。フジ北宇和島店前バス停は通過して、次はいよいよ宇和島駅だ*5。
バスセンターへ向かうバス
バスが遅れた旨のお詫びアナウンスの後に宇和島駅前で降車、降りたのは意外にも自分だけだった。駅周辺は静かで、街の中心から離れていることがうかがい知れる。宇和島駅前での遅れは30分くらいになっていたが、後は泊まるだけなのでホテルへの道を進む。傘を差すか差さないか迷うくらいの雨の中、暗くなった道を急ぐ。
1階にコンビニを併設したホテルだったが、スーパーで惣菜を買って晩酌することにして、荷物を下ろしてすぐにフジ宇和島店でお買い物。翌日の朝食も買い込みウキウキ気分でレジに並ぶが、ホテルに財布を忘れたことに気づき、こっぱずかしい思いをする。急いで財布を取りに戻り、取り置きしてもらったかごの会計を済ませて、再びホテルへ。それほど離れているわけではないが、どっと疲れが出る。
晩酌はテレビを観ながら。地元局の番組で「道後90万ショック」という言葉を覚える*6。またここまでの道中、「宇都宮」姓の看板を見かけたが、テレビにも同姓の人が出ていた。愛媛で宇都宮はポピュラーなのかもしれない。あとはスーパーで買った刺身がえらく美味しかったことだけは記憶に残っているが*7、疲れのせいか早々に眠くなってしまい、軽くしか飲まずに寝てしまった。
*2:「ほけつ」と読むようだ。
*3:宝泉坊温泉のこと。ルート選定時は5月から営業開始予定となっていたが、実際は4月27日から再開したようだ。なお、こちらに立ち寄ろうとしたいきさつなどは後日触れる予定。
*4:このバス停付近をGoogle ストリートビュー(2018年6月分)で見ると、ちょうど宇和島自動車のバスが停車していて、次の高光農協前までストリートビューカーの直後をバスが走行しているのが確認できる。
*5:なお、今回の記事で取り上げたバス停は、卯之町~宇和島間で特急バスが客扱いするすべてだったと記憶している。
*6:しまなみ海道開業後に起こった、道後温泉への観光客の大幅な落ち込みのこと、らしい。100万といった大台を割るだけでなく、さらにその下の90万すら欠けたことが衝撃だったようだ。
*7:残念ながら、何の刺身だったかは忘れてしまった。