2018.01.02-07 年末年始ふり~きっぷ24

散策を終え、バス停に戻ってしばらく待つと、バスはやってきた。再び薄日が差してきた。午後は良い天気になりそうだ。

2018.01.04[Thu]
八尾鏡町12:40→富山駅前13:28
富山地方鉄道 [36]富山空港・成子滅鬼経由八尾線、¥750(680)、20.7km

八尾鏡町にてにて
36系統 富山駅前行

八尾へ来たときに乗った23系統とは違い、36系統は富山空港を経由して富山駅へと向かう路線だ。写真ではLEDなので色が分からないが、元々の方向幕の色は笹津・猪谷方面と一緒の緑地に白文字だ。この系統、現在では非常に本数が少なく、日中だと平日の12時前後の1往復くらいしか走っていない。全時間帯を含めても、平日は下り2本・上り3本で休日は1往復のみだ。よって、この日の予定はこのバスを軸に決めたくらいである。


成子バス停北側に書かれた「ループ」*1

それだけ日中にこだわった理由は地鉄の停留所表にある。成子バス停付近に意味ありげな「ループ」が描かれている、これが気になった。近くに神通川が流れていることから、おそらく立体交差する橋を渡るためにこうなっているものと推測できるが、わざわざ描く理由があるのだろうか。……そんな理由は現地に行ったところで分からないと思うが、ともかく実際に目で確認してみることにする。

八尾鏡町では1人だけだったが、眼鏡橋で祖母と孫といった雰囲気の2人組が乗車した。彼女らは総曲輪で降りたので、大和までお買い物に出かけたのではないだろうか。何か30年くらい前にタイムスリップ*2したような気分になる。ただ、このおばあちゃんはおでかけ定期券の利用者だったので、この点はえらく現代的だった。30年前の人に「バスで運賃箱にカードをかざすと100円で乗れる」なんて言っても信じてもらえなさそうだ。

井田を過ぎると23系統とは分かれて、36系統だけのルートとなる。黒田東部の先で下りの36系統とすれ違ったが、あちらは乗客なしだった。こちらも富山空港までの乗客は自分と祖母と孫だけだったので、「この路線がないと困る人」は乗車していなかったことになる*3

薄島の手前で左折し、用水沿いに成子方面へと向かう。外を眺めていると、速度規制表示「40」の下に「高・中速車」の表示があった。2018年にこれを見るとは思わなかった。実は30年前なのかもしれない*4


2012年のstreet viewでも確認できた「高・中速車」表示

杉田東口を通過すると次は成子だ。成子を経由しないのなら、そのまままっすぐ抜けて新成子橋への道へ出られるが、バスはわざわざ狭い道の方へ右折し成子へと向かう。ただ、曲がった先の道はどうも旧成子橋が架かっていた通りらしく、神通川の土手まで続く坂の途中でカードレールが道を塞いでいた。塞がれている手前で左折すると、すぐ成子。その後、新成子橋のたもとをくぐり、前述の停留所表に描かれていたようなコースをたどって、成子の交差点から橋への道へと出た。これが「成子ループ」の全容だった。

結局、「成子ループ」は成子のバス停を経由することが理由のようであるが、旧橋がこの場所にあったことも理由の一つのような気はした。旧成子橋がこの位置になければ成子の集落にバス停はなかったと思うし、成子にバス停がなかったらわざわざこんなコースで新橋へアプローチしなかったはずだ。今回利用者がなかったのは残念だったが、実際に乗ってみたことで旧橋の存在に気づけたことは収穫であった。

新成子橋を渡ると、福居の交差点を左折し、総合運動公園の横を通過して富山空港へと向かう。富山空港では八尾以来の乗客が7人あったが、うち5人は外国人でスーツケースを転がしながらの乗車だ。どうやら11時50分に到着した台北からのチャイナエアライン170便に接続しているようだが、自分が外国に行って空港から初めて乗るバスがこんな普通の路線バスだったら、ちょっと面食らうかもしれない。

黒瀬橋詰で少々渋滞していたせいか、富山駅には5分ほど遅れて到着、国際色豊かな10人の乗客とともに降車した。なお、36系統の城址公園前だが、ちゃんとアナウンスはあったので(乗車はともかく)降車は可能な模様だ。バス停の位置で考えれば総曲輪で十分な気もするが、空港からの乗客のために気を利かせているのだろう。


*1:富山地方鉄道 乗合自動車 停留所表」より。

*2:ちょっと表現が古いが、むしろこんな古い表現の方が適切な気もする。

*3:八尾から総曲輪富山駅へ行くのなら、23系統でも可能だ。

*4:ちなみに、高・中速車などの分類が廃止されたのは1992年のことらしい(レア道路標示「40高中」の意味 全国に100前後、大きく偏在する理由とは? - 乗りものニュース)。