2017.10.26-29 南から北へ16

南から北を目指すルートに復帰する。

朝の延岡駅前は人影もまばらで、前回お世話になった中華料理屋も当たり前だが開店前なので、近くのセブンイレブンで朝食を調達する。以前の記事でも触れたように、北浦方面に進めないのは返す返すも残念*1だが、今回はここから大分方面へのルートはあきらめ、まずは高千穂から高森方面を目指すことにする。待合室でコーヒーをすすりながら待っていると、高千穂行きのバスがやってきた。

2017.10.27[Fri]
延岡バスセンター06:40→高千穂バスセンター08:00
宮崎交通[71]、¥1,790、52.1km

延岡バスセンターで出発を待つ高千穂行
高千穂バスセンター行

まだ延岡の営業所は開いていないので、SUNQパスを梅田で購入したのが活きてくる。なお、1時間ほど後に熊本まで一気に行ける「あそ号*2があるが、1本で抜けてしまっては少々味気ない*3。可能な限りローカルなバスを乗り継いでいくつもりだ。

高千穂へ行くバスはバス停に寄せたものの、人が乗る前に何やら荷物を積み込んでいる。バスの横を見ると、ヤマトのステッカーが貼ってある*4。以前、西米良方面のバスで、宮崎交通ヤマト運輸が提携しバスで荷物を運ぶようになったと聞いていたが、こちらでもやっているようだ。ヤマトの資料を見ると、昨年(2016年)から開始された模様で、別紙のpdfを見ると、これから乗るバスの時刻が書かれている。珍しいものを見れたのは良かったが、あいにくあまり多くの荷物はなかったような気がする。ちなみに荷台スペースは終点までそのまま、日之影で荷物を降ろすようなことはなかった。

定刻にバスは出発した。席は運転士の隣に座り、自分の後ろに松本さんが陣取る。延岡バスセンターから乗車したのは自分たちを入れて5人、うち3人はひなたライナーからの乗り継ぎだ。バスは五ヶ瀬川にぶつかったのち、川沿いに遡上する形で進むようになる。途中ぽつぽつと乗車はあるものの、中心地から郊外へのバスなので、それほど混む気配はない。途中、2度ほど下車しないのに降車ボタンが押されるいたずらが発生するが、乗客を見てもそんな気配の人は見当たらない……と、松本さんがいた。さすがにいたずらではなかったが、ちょうど脚のあたりにある降車ボタンを意図せず押していたらしい。今後、降車ボタンが押されるたびに松本さんを目で追うようになったのは言うまでもない。

バスは旧北方町の川水流地区以外はほぼ国道218号をトレースして進む。バスの経由地には「バイパス」と書かれているが、これは北方延岡道路を通るわけではなく、蔵田バス停から先が段丘上にあるバイパスを経由するという意味らしい。旧道の狭い道を走るバスにも乗ってみたかったが、バイパス経由のバスもなかなか楽しい。五ヶ瀬川の刻んだ渓谷の深さは、バイパス経由でないと分からないだろう。つまりはどちらのルートにも楽しめる点があるのだが、往復でもしない限り両方を一度に味わうことが困難だ。

バイパスに入ったあたりから、徐々に高校生らしき人の乗車が多くなる。川水流以来の寄り道である日之影町立病院を超えるとさらに増え、立ち客も出てくるようになる。もしかしたら延岡~高千穂間に高校がなく、延岡or高千穂の択一が発生することで、バスにしてはずいぶん遠距離な通学となっているのではないかと思う。そんな高校生に対するバスの運転士の気の使い方も半端なく、途中のバス停で支払いに手間取っていたおばさまを「帰りに払って」の一言で降ろし*5、定時運行へのプロとしてのこだわりが感じられた*6

さて、そんなこんなで高千穂バスセンターにはほぼ定刻で到着。高校生が吐き出され、そして高校に吸い込まれていく。自分たちも降車して一服していると、始業の鐘と思われる音が聞こえてきた。バスが5分でも遅れたら遅刻になるような感じだ。高校生も気が気でないだろうし、運転士もそうだろう。もうちょっと余裕のあるダイヤにすれば良い気もするが、そうすると今度は運転士の業務開始の時間や宅急便の運用にも影響が出てきそうで、なかなか難しそうだ。

高千穂バスセンターに到着したバス。ヤマトのステッカーや「すみません回送中です」が確認できる。
高千穂バスセンターにて


*1:今さらながらに気づいたが、以前「お世話になったサイト」で紹介した「九州ローカルバス旅時刻表」でも、バス旅チャレンジャー市尾内~葛浦ルートをお勧めしていた。他の県境越えルートに比べれば、確かに『比較的』容易かもしれないが、曜日限定だったり、ぎりぎり間に合いそうな乗り継ぎ時間だったり、接続する大分県側のバスは最終だったりと、そこそこ難易度は高い。個人的にはその敷居の高さに魅かれているのだが。

*2:延岡~熊本間のバスは、熊本行が「あそ号」、延岡行が「たかちほ号」となっている。

*3:ただしこちらを利用すれば、発車10分前に営業所が開くので、SUNQパスを現地で入手できる。

*4:最後に載せた写真で確認可能。車体側面後部に貼られている。

*5:このおばさま、料金表は確認しないし、財布は出さないし、必要な証明書も見せないしと、ある種の「常連」ぽい雰囲気を感じた。

*6:高千穂バスセンター到着時にも、高校生が降りる前に両替しようとした無節操な若者を後回しにしていた。